1988 Fiscal Year Annual Research Report
固型腫瘍における血管透過性亢進とキニン産生系の活性化
Project/Area Number |
63010054
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 保広 熊本大学, 医学部, 助手 (90209619)
山本 哲郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (60112405)
加藤 久雄 国立循環器病センター, 研究所, 室長 (80029959)
川口 隆憲 福島県立医科大学, 講師 (10045685)
鈴木 磨郎 東北大学, 抗酸菌病学研究所, 教授 (90006081)
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Keywords | 腫瘍血管 / 腫瘍血管の透過性 / 血管透過性因子 / ブラジキニン / ヒドロプロリルブラジキニン / 腫瘍の脈管特性 / 高分子型制癌剤 / 癌性腹水 |
Research Abstract |
本年度の成果の第一は次の8点に要約できる。 (1)ヒトおよび動物の癌性腹水中には高濃度のキニンが存在する。 (2)そのキニンは在来から知られているブラジキニンに加えて、新型の^3ヒドロキシプロリルブラジキニン(3位のプロリンが水酸化されたもの)を発見した。 (3)このヒドロキシプロリルブラジキニンの生理活性はブラジキニンとほぼ同じであった。 (4)キニン合成を抑える大豆トリプシンインヒビターは癌性腹水の貯留を抑えた。 (5)腫瘍局所(腹水中)でのキニンはキニナーゼにより分解される。 (6)キニナーゼ阻害剤のカプトプリルやレニベース(エナラペリル)は腫瘍局所の血管透過性を上昇させ、高分子(^<51>Cr標識アルブミン)のその局所への集積を約50%上昇させた。このことはキニナーゼ投与下の高分子制癌剤の腫瘍集積性を上昇させ、副作用の少ないより効果的な癌化学療法の道を拓くと考えられた。 (7)キニン産生にもとずく腫瘍血管透過性亢進の機構を明らかになった。 (8)ブラジキニンの3位のプロリンの水酸化は、キニノーゲンにおいて既に生じていた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Maeda;Y.Matsumura;H.Kato: Journal of Biological Chemistry. 263. 16051-16054 (1988)
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[Publications] Y.Matsumura;M.Kimura;T.Yamamoto;H.Maeda: Jpn.J.Cancer Res.79. 1327-1334 (1988)
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[Publications] H.Kato;Y.Matsumura;H.Maeda: FEBS LETTERS. 232. 252-254 (1988)
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[Publications] Y.Matsumura;S.Kurooka;H.Kato;H.Maeda: Europ.J.Cancer. (1989)
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[Publications] T.Yamamoto;K.Kozono;T.Kambara;C.G.Cochrane: Biochimica et Biophysica Acta. 966. 196-206 (1988)
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[Publications] H.Maeda;Y.Matsumura: CRC Critical Review in Drug Delivery. (1989)
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[Publications] H.Maeda;Y.Matsumura: "Cancer Chemotherapy Challenges for the Future" Excerpta Medica,Amsterdam, (1989)