1988 Fiscal Year Annual Research Report
発癌と細胞増殖制御における燐酸化チロシン蛋白の役割
Project/Area Number |
63010067
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 泰 東海大学, 医学部, 教授 (60055746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 征治 東海大学, 医学部, 助教授 (50096202)
西沢 誠 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30192248)
小野 魁 日本大学, 医学部, 教授 (30004675)
上原 至雅 国立予防衛生研究所, 室長 (50160213)
瀬川 薫 慶応大学, 医学部, 講師 (30114523)
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Keywords | 燐酸化チロシン / 細胞癌化 / 増殖因子 / チロシンキナーゼ / がん遺伝子 / 増殖信号伝達 / 細胞増殖制御 |
Research Abstract |
1.細胞増殖因子によって誘導される受容体のチロシンキナーゼの活性化や、がん遺伝子産物のキナーゼ活性によって起る蛋白のチロシン燐酸化が本当に増殖シグナルの起点になるのかという問題について: (1)チロシンキナーゼ活性を阻害する薬剤ハービマイシンが癌細胞を正常化すること。(2)インスリン、IGF-1、EGFの受容体のチロシンキナーゼ部位に対する部位特異抗体でこれらの増殖因子による刺激が遮断されること。(3)発がん性を持たせたc-erbB-2のキナーゼ部位のLysをMetに変えるとキナーゼ活性がなくなると共に発癌性を失われること見出した。これらの結果はチロシンキナーゼが必要という考えを支持する。 2.増殖シグナル伝達に働く、チロシンキナーゼの標的蛋白は何か: (1)線維芽細胞をEGFやPDGFなどで刺激すると急速にチロシン燐酸化される41Kと43K蛋白が細胞質中にあり、この燐酸化は細胞DNA合成誘導の程度と一致する。(2)インスリン刺激によって急速にチロシン燐酸化される蛋白としてインスリン受容体と185K蛋白をすでに見出しているが、ラット遊離脂肪細胞について、抗燐酸化チロシン抗体を用いたイムノブロッティング法で調べると、さらに60K蛋白を細胞質中に見出した。 3.A431細胞のEGF受容体の細胞の外に露出している部分がいわゆるエクトキナーゼによってチロシン燐酸化される可能性が強くなった。その部位と信号伝達における意義は今後の問題である。
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[Publications] R.Ogawa: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 79. 297-300 (1988)
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[Publications] K.Semba: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 79. 710-717 (1988)
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[Publications] T.Akiyama: Mol.Cell.Biol.8. 1019-1026 (1988)
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[Publications] T.Izumi: J.Biol.Chem.263. 19386-10393 (1988)
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[Publications] K.Momomura: Biochlm.Biophys Res.Commun.155. 1181-1186 (1988)
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[Publications] O.Koshio: Biochem.J.250. 95-101 (1988)
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[Publications] A.Iwata: J.Biochem.104. 247-250 (1988)
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[Publications] M.Fujii: Microbiol.Immunol.32. 857-867 (1988)
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[Publications] T.Takeshita: J.Cellul.Physiol.136. 319-325 (1988)
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[Publications] M.Ono: Mol.Cell.Biol.8. 4190-4196 (1988)
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[Publications] Y.Murakami: Cancer Res.48. 1587-1590 (1988)
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[Publications] Y.Uehara: J.Antibiotics. 41. 831-834 (1988)
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[Publications] Y.Uehara: Cancer Res.