1988 Fiscal Year Annual Research Report
DNAトボイソメラーゼを標的とした癌化学療法のための基礎的研究
Project/Area Number |
63010071
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
安藤 俊夫 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20012693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴尾 隆 東京大学, 応用微生物学研究所, 教授 (00012667)
筒井 研 岡山大学, 医学部, 講師 (70108158)
菊池 韶彦 三菱化成生命研究所, 室長 (40283428)
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
柳田 充弘 京都大学, 理学部, 教授 (80025428)
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Keywords | DNAトポイソメラーゼ / カンプトテシン / エトポシド / 化学療法 / 多剤耐性 |
Research Abstract |
DNAの高次構造変換を触媒するDNAトポイソメラーゼ(トポ)は種々の遺伝子機能の発現に関与することが示唆されているものの、その酵素の機能ドメイン構造及びin vivo機能の分子機構は不明である。酵母のトポIIはリン酸化・脱リン酸化による活性の調節を受け、突然変異部位とin vitro・in vivoの活性発現との関連からDNA結合活性、触媒活性等のドメインがあることが分かった。また、人為的遺伝子改変により、酵素のC端部は活性発現に不要であることが示された。ヒトのトポIもリン酸化蛋白であり、モノクローン抗体により認識される霊長類トポIに特異的な部位がある事を示した。 複製、転写の核内の場と考えられる核マトリックスに120KDa,75KDaタンパクよりなる超ラセンDNAの結合部位が存在することを示唆した。 癌の化学療法において、癌細胞の薬剤に対する耐性獲得は深刻な問題となっており、その機構解明は急務である。そこでトポIを標的とするカンプトテシン(CPT)に対する耐性獲得はトポI酵素自身の変異に由来することが明確に示されたが、トポIIを標的とするエトポシド、ノボビオシン等に対する耐性獲得の機構は未だ不明である。またトポII阻害剤を含む多剤に対する耐性(mdr)獲得は、P糖蛋白の過剰発現による事が示された。 トポI阻害剤CPT-11を中心とした種々の化学療法を用いた併用療法において、単純な同時投与よりも併用剤の時間差投与のほうがより効果的な場合がしばしば観察されたので、癌患者の治療に当たっては、よりきめこまやかな投与設計が検討されるべき事が示された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kjeldsen,E.: J.Biol.Chem.263. 3912-3916 (1988)
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[Publications] Bae,Y-S.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 85. 2076-2080 (1988)
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[Publications] Shibata,T.: J.Biol.Chem.262. 10419-10421 (1987)
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[Publications] Tsutsui,K.: J.Biol.Chem.263. 7235-7241 (1988)
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[Publications] Ishida,R.: Somatic cell Genet.14. 489-498 (1988)
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[Publications] Naito,M.: J.Biol.Chem.263. 11887-11891 (1988)
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[Publications] Andoh,T.: "DNA topoisomerases in cancer." Oxford University Press, (1989)
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[Publications] Kikuchi,Y.: "Gene expression and regulation,the legacy of L.Gorini." Bissell,M., 257-264 (1988)