1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010083
|
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
吉池 邦人 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 室長 (90072925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 鈎一郎 東京理科大, 理工学部, 教授 (40012736)
井川 洋二 理化学研究所, 分子腫瘍, 主任研究員 (40085618)
藤沢 順一 癌研究所, ウイルス腫瘍部, 研究員 (40181341)
半田 宏 東京大学, 医学部・細菌学教室, 助教授 (80107432)
有賀 寛芳 東京大学, 医科研 ウイルス研究部, 助手 (20143505)
|
Keywords | 癌遺伝子 / 転写調節 / DNA複製 / エンハンサー / BKV / HPV / アデノウイルス / HTLV-1 / c-myc |
Research Abstract |
いくつかのウイルスおよび細胞癌遺伝子について転写制御とDNA合成の関連が解析された。本年度の主な成果は次のとおりである。 細胞転換能を欠く野性型BKVエンハンサーにある重複配列は、ラット細胞でサイレンサーとして働き癌遺伝子発現を抑制し、抑制に必要な重複は29-bpまで限定された。今後はこの限定された配列に結合する細胞因子を解析する必要がある。 細胞転換能を持つヒトパピローマウイルスE7蛋白は核内にあり、停止している細胞DNA合成を開始される機能を持っていた。従ってE7は知られているかぎり最小(98アミノ酸)の核内癌蛋白であるとされた。E7はヒトの発癌(子宮頚癌)にかかわる可能性がある最初のウイルス核内癌蛋白であり、その解析は今後の重要課題となろう。 c-myc遺伝子上流のori-エンハンサー領域に変異を導入し機能を解析した。その結果、c-myc蛋白はエンハンサー結合蛋白であるとともに複製のインシエイターであることも分かった。ウイルス癌遺伝子の転写と複製のみならず、細胞癌遺伝子でも同様のことが分かって来たと言える。 マウスpolβ遺伝子上流には、転写にかかわるサイレンサーがあり、そこに結合する蛋白を同定した。このサイレンサーはポリオーマウイルスDNAの複製を強く抑制する能力があった。
|
-
[Publications] S.WATANABE;K,YOSHIIKE: VIROLOGY. 169. 204-212 (1989)
-
[Publications] H.SATO,ET AL.: VIROLOGY. 168. 195-199 (1989)
-
[Publications] S.WATANABE,ET AL.: J.VIROL.63. 965-969 (1989)
-
[Publications] H.SATO,ET AL.: VIROLOGY. 170. (1989)
-
[Publications] K.SUDO,ET AL.: EMBO J.(1989)
-
[Publications] M.YAMAGUCHI,ET AL.: NUCLEIC ACIDS RES.16. 8773-8787 (1988)