1988 Fiscal Year Annual Research Report
リンホカインによる抗腫瘍性エフェクター細菌の活性化機構の解析
Project/Area Number |
63015007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 勝男 東北大学, 歯学部, 教授 (00005018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花海 清 東北大学, 歯学部, 助手 (50005063)
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
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Keywords | 腫瘍免疫 / NK細胞 / キラー細胞 / 活性化Mφ / IL-2 / DNT細胞 |
Research Abstract |
我々は、IL-2に反応して増殖し、主要組織適合抗原(MHC)非制約性に癌細胞に対して障害活性をもつリンパ球(キラー細胞)の誘導機構を研究し、始めに誘導されるキラー細胞はNK細胞に由来するが、やがて、キラー活性をもつ未成熟型のT細胞が反応して増殖することを明らかにした。 本年は、とくに、このT細胞由来のキラー細胞の誘導機構について研究し、次のようなことを明らかにした。 (1)成人末梢血あるいは摘出胸腺をIL-2で刺激すると、T細胞からキラー細胞が誘導される。そのキラー細胞は、CD2^+CD3^+orCD3^-(dim)でCD4^-8^-の所謂double negative T cell(DNT)が主体を占めること。(2)とくに、末梢血を材料としてIL-2によるその誘導を試みるとき、これらの細胞の誘導には血中のマクロファージ(Mφ)の関与が必須であること。(3)Mφがどのような機構で関与しているか追究するために、様々のMφの活性化機構を追究した結果、種々のアジュバント、特にグラム陽性菌々体によって刺激されたMφによって効率よく誘導されることがわかった。(4)このような活性化Mφは、そのIa抗原依存性にT細胞やDNT細胞を刺激して、これらの細胞にキラー活性をもった細胞増殖を誘導した。(5)この増殖過程はIL-2に依存しないが、反応中に産生するIL-2以外の複数のサイトカインに依存して増殖した。(6)増殖した細胞の細胞形質は、CD2^+3^+^<(-)>4^-8Leull^-でIL-2Rを発現しているが、TcR(α/β)を欠く未熟型T細胞であり、IL-2の添加によって、キラー活性を保持したまま、極めて活発な増殖を示した。 以上の所見は、腫瘍免疫上極めて重要なエフェクター細胞誘導のカスケードを明らかにしたことを示す。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshinori,Tsuchiya: J.Immunol.141. 699-708 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Itoh: J.Immunol.141. 315-323 (1988)
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[Publications] Masahiko,Fujii: Cancer Immunol.Immunotherapy. 27. 97-102 (1988)
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[Publications] Shunji,Sugawara: Cell.Immunol.(1989)
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[Publications] Katsuo,Kumagai: J.Exp.Med.
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[Publications] Masahiko,Fujii: J.Immunol.