1988 Fiscal Year Annual Research Report
Transgenic mouseを用いた発癌の組織特異性に関する研究
Project/Area Number |
63015072
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 文 熊本大学, 医学部, 助手 (40136213)
宮崎 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (10200156)
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Keywords | トランスジェニックマウス / myc遺伝子 / 癌遺伝子 / B型肝炎ウイルス / 悪性リンパ腫瘍 |
Research Abstract |
昨年度迄に、免疫グロブリンH鎖エンハンサーによって活性化されたmyc遺伝子(Eu-myc)を導入した時、C57BL16マウスではBリンパ腫がC3HマウスではTリンパ腫が高率におこることを示している。この原因の一つとして、Eu-myc遺伝子の発現レベルに系統間の差があるのではないかと考えられる。そこで両系統のマウスで、Eu-myc遺伝子はもっているがまだ発症前の段階で、Eu-myc遺伝子の発現及びBとTリンパ球の状態に差があるかどうかを検討した。その結果、Eu-myc遺伝子は胸腺でも脾臓でも既に発現しており、レベルは同じであった。また系統間の差は認められなかった。面白いことにマウスのmyc遺伝子の発現はコントロールに比し、明らかに低下していたが発現は認められた。完全に腫瘍化した時は、マウスmycの発現は全く認められないので興味深い。Bリンパ球は大きくなり、Ia抗原の発現も増大していたが、Tリンパ球の方は大きさもCD4及びCD8陽性細胞の比も正常であった。この結果は、Eu-myc以外の要因が関与して、B及びTリンパ腫が発生すると考えられた。 B型肝炎ウイルス(HBV)による肝癌の発生機構の解析がもう一つの研究であるが、研究の困難さを克服するため、HBVが複製しうるトランスジェニックマウスモデルの開発を試みた。このため、両端が一部重複したHBV DNA(1.2HB-BS)を準備し、トランスジェニックマウスを作製した。8匹中2匹で、血中にHBs抗原及びHBe抗原を検出できた。また、この遺伝子は肝と腎特異的に発現し、目的とした3.5kb、2.4kb、2.1kb、0.8kbが検出された。肝細胞には、コア粒子が形成され、その中にHBV DNAが存在していた。また血中にはウイルス粒子と思われるものも存在していた。現在、このマウスは生後1年4ヵ月になるが全く正常であり、HBVの感染を複製自体は肝細胞に何の異常もおこしていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Araki,K.;Miyazaki,J.;Hino,O.;Tomita,N.;Chisaka,O.;Matsubara,K.;Yamamura,K.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86. 207-211 (1989)
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[Publications] Araki,K.;Miyazaki,J.;Tsurimoto,T.;Inomoto,T.;Iwanaga,T.;Matsubara,K.;Yamamura,K.: Jpn.J.Cancer Res.
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[Publications] Miyazaki,J.;Takaki,S.;Araki,K.;Tashiro,F.;Tominaga,A.;Takatsu,K.;Yamamura,K.: Gene.