1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63015106
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
矢原 一郎 都臨床研, 細胞生物, 部長 (60109957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 美奈子 都臨床研, 細胞生物, 研究員 (10124471)
松本 清治 都臨床研, 細胞生物, 研究員 (40190532)
|
Keywords | チューブリン / 微小管結合タンパク質 / アクチン / 熱ショックタンパク質 / ステロイドホルモン受容体 / ダイオキシン受容体 / コフィリン / 核内移行シグナル |
Research Abstract |
1.微小管結合タンパク質(MAPs)はβチューブリンのC末端、いわゆるアイソタイプ特異的可変ドメイン近傍に結合すると考えられている。そこでMAPsの結合部位を欠失したβチューブリンのみを発現する酵母突然変異株を作成し、その性質を調べたところ、温度感受性であった。アミノ酸残基431番目以降を持たないβチューブリンは、未だMAPs結合能を一部持っているために、この変異は温度感受性になったものであろう。MAPs結合部位を完全に消失した(412番目以降を欠失した)βチューブリンを発現する酵母は致死的であった。 2.HSP90とグルココルチコイド受容体の複合体を^3H標識トリアムシノロンアセトテイドで標識し、重合アクチンと加温し遠心したところ、複合体はアクチン繊維と共沈澱した。したがって、受容体複合体は細胞内でアクチン繊維と相互作用して細胞内輸送や位置決定、安定化などの生理的機能発揮のための準備を行っていると考えられる。ある種のキナーゼ、ステロイドホルモン受容体の他にHSP90と相互作用を行う細胞質タンパク質を検索したところ、ダイオキシン受容体がHSP90と複合体を形成していることを見いだした。 3.熱ショックによってアクチンと共に細胞質から核内に移行し遺伝子発現の変化やRNAスプライシングに関与する可能性のあるタンパク質コフィリンの性質を明らかにした。ブタおよびマウス能mRNAのcDNAライブラリーより、オリゴヌクレオチドをプロープにしてコフィリンcDNAをクローニングした。ブタおよびマウスコフィリンCDNAは共に166個のアミノ酸からなるタンパク質をコードしていた。両者はわずか2個のアミノ酸が異なるのみであった。N端側にSV40ラージT抗原の核内移行シグナルに似た配列があり、C端側に幾つかのアクチン結合タンパク質とのホモロジーがあった。
|
-
[Publications] Y.Miyata et al: Experimental cell Research. 178. 73-83 (1988)
-
[Publications] F.Matsuzaki et al.: Journal of Biological Chemistry. 263. 11564-11568 (1988)
-
[Publications] F.Matsuzaki et al.: Journal of Cell Biology. 107. 1427-1435 (1988)
-
[Publications] N.Yonezawa et al.: Europian Journal of Biochemistry. 177. 1-7 (1988)
-
[Publications] S.Koyasu et al.: Experimental Cell Research. 176. 107-116 (1988)
-
[Publications] Y.Miyata et al: Experimental Cell Research. 177. (1989)