1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63050012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山脇 道夫 東京大学, 工学部, 教授 (30011076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 雄一 東洋大学, 工学部, 教授 (70167427)
芦田 完 富山大学, トリチウム科学センター, 助手 (70192953)
渡辺 国昭 富山大学, トリチウム科学センター, 教授 (50001326)
山口 憲司 東京大学, 工学部, 助手 (50210357)
田中 知 東京大学, 工学部, 助教授 (10114547)
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Keywords | トリチウム / 水素同位体 / 黒鉛材料 / ECRプラズマ / 黒鉛中保持量 / 昇温脱離 / 水素透過性 / 気孔構造 |
Research Abstract |
水素同位体、特にトリチウムプラズマと、第一壁として有望な黒鉛材料の相互作用に関する知見を得る目的で、以下に示す研究を進めている。ここに、その内容ならびに成果を簡潔に記す。 (1)トリチウムビーム照射装置の設計と製作 コンパクトな体型を有するECRプラズマイオン源を新規に設計し、製作した。軽水素プラズマによるビーム引き出し試験の結果、引き出し電極でのイオン電流として、最大7mA程度得られ、概ね当初の設計目標は達成された、これを受けて、現在、境界プラズマを模擬すべく、イオンビームの高流束・低速化に着手するとともに、トリチウムプラズマの引き出しに向けて、ガス導入、処理・精製系を整備している。 (2)高温におけるトリチウムの黒鉛中保持量の測定 富山大・トリチウム科学センターにて、トリチウムをイオン銃により、各種黒鉛材料中に注入した(注入原子総数10^<13>〜10^<14>個)。その後、昇温加熱を行い、残存するトリチウム量(保持量)を測定した。また、トリチウムの脱離挙動より、その黒鉛中での拡散率を評価した。さらに、雰囲気中の酸素不純物による保持量への影響について検討した。 (3)各種黒鉛材料ならびに改質黒鉛材料の水素透過性の評価 黒鉛に対する水素透過実験を従来より行っているが、今年度は黒鉛中の気孔構造の影響について検討した。実験結果の示すかぎりでは、水素透過速度と気孔の平均半径(水銀圧入法による)との間には、明瞭な相関関係は認められなかった。このことは、気孔のサイズの分布、あるいは屈曲など、他にも考慮すべき重要な因子があることを示唆するものと考えられた。これらの知見をもとに今後も水素透過モデルの改良を進めていく。さらに、カーボニゼーション膜や熱分解炭素を披覆した改質黒鉛試料の水素透過性に関する知見も得ることができた。
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Research Products
(1 results)