1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63050013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森川 尚威 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70011525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一夫 東京大学, 医学部, 助手 (40153837)
大橋 國雄 千葉大学, 教養部, 教授 (20009369)
野川 憲夫 東京大学, アイソトープ総合センター, 教務職員 (60208311)
井尻 憲一 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (40111447)
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Keywords | トリチウムガス / 暴露 / 培養細胞 / マウス / 生物影響・致死効果 / 放射性廃棄物 / 放射線測定 |
Research Abstract |
トリチウムガスの医生物効果を研究するための実験システムを開発し、これを利用することの実行可能性を確認する研究を展開している。 ヒトおよび哺乳類の培養細胞と実験小動物(マウス)を生物材料に選び、高濃度トリチウムガスの短期間および長期間の暴露実験を対象に開発を進めている。実験装置、トリチウムガスの供給と濃度の調節機構および実験雰囲気の恒常化、トリチウムガスの漏出防止、実験終了後の放射性廃棄物の処理等について、試行実験を行い、改良を重ね、トリチウムガス供給系については、ほぼ完成の域に達した。 生物影響の評価に当たって、重要な因子となる暴露実験中の系内気体成分の組成は随時分析する。分析はガスクロマトグラフィを基本に、気体成分の定量分析、各成分の放射能測定がほぼ同時に行える機構を組み込めるように装置を試作中である。 マウスを対象とするトリチウムガスの暴露実験は、短期間の実験では円筒状のパイレックス製チェンバー方式で、長期間の実験では大巾に改良を加えた代謝ケージ方式で実施する。なお、短期間とは1時間〜1日、長期間とは1週間〜1か月、1か月〜1年とする。 トリチウムガス暴露後のマウスは、直後または一定期間飼育後、肺、腸、血液の試料を作成し、それぞれの組織・細胞への影響を定量的に評価することを想定している。 培養細胞を用いたトリチウムガス暴露実験の予備的研究の一環として、水素ガスを含む雰囲気下で培養液を除いた場合の生存率から水素の毒性と乾燥の影響を調べ、この実験系の妥当性を検討した。培養液を除いた影響は10時間までは認められず、さらに26時間経過後に30%程度の致死効果として観察された。また水素の毒性は4.5時間の時点では認められなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ijiri,K.;Pottin,C.S.: Int.J.Radiat.Biol.53(5). 717-727 (1988)
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[Publications] Ijiri,K.: In Proceedings of the Third Japan-US Workshop on Tritium Radiobiology and Health Physics.
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[Publications] Morikawa,N.;Ijiri,K.;Shiroya,T.;Okada,S.;Tano S.;Nakamura,N.;Ohno,M.;Nogawa,N.: In Proceedings of the Third Japan-US Workshop on Tritium Radiobiology and Health physics.