1988 Fiscal Year Annual Research Report
DTプラズマ排ガス処理に対する機能性材料のプロセス評価
Project/Area Number |
63055031
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐野 瑞香 熊本大学, 理学部, 教授 (20017312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 英興 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30011000)
市村 憲司 熊本大学, 理学部, 講師 (00151481)
松崎 晋 熊本大学, 理学部, 助教授 (00109638)
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Keywords | 水素解離 / 水素吸蔵 / 黒鉛層間化合物 / 水素同位体効果 / 陽電子消滅 / 重水素 / 昇温脱離スペクトル |
Research Abstract |
アルカリ金属グラファイト層間化合物(AGIC,MCn:M=K,Rb,Cs,n=8,24)の水素に対する選択吸着機能、水素同位体濃縮回収機能を研究した。グラフォイルあるいは高配向熱分解黒鉛を原料として、アルカリ金属の蒸気移動法によりAGICを合成し、研究材料とした。1430cm^<-1>に最大強度をもつファノ型ラマンスペクトルでステージ1化合物を、1600cm^<-1>のピークでステージ2化合物を同定した。AGICにH^2-D^2(1:1)を導入し、生成するHDの量をガスクロマトグラフィで調べたところ、いずれのAGICもH_2,D_2分子を一旦原子状に解離することが明らかになり、その速度定数(273K)の順序はCsC_8>RbC_<24>>KC_<24>,RbC_8,CsC_<24>>KC_8.で、活性化エネルギーはそれぞれ18,25,27,37,14,27kJmol^<-1>であった。KC_<24>の陽電子消滅スペクトルは水素吸蔵により10%減少し、KC_8中での陽電子寿命は290psであったことから,陽電子はこれらの中の特定の領域に局在するものでないことが明らかになった。バラトロンを用いてAGICへの水素吸着吸蔵過程を調べたところ、MC_8Hxの平衡吸蔵量Xは0.65(K)、0.038(Rb)であり、この吸蔵活性化エネルギーはそれぞれ48,28kJmol^<-1>であった。これには同位体効果が見出され、D_2に対しては吸蔵活性化エネルギーが40(K)、25(Rb)kJmol^<-1>であった。水素を吸蔵したAGICを一定昇温速度で加熱し、脱離水素をターボ分子ポンプと直結したマスフィルタ型ガス分析計で検出したところKC_8Hx,RbC_8Hxの昇温脱離スペクトルはいずれも3本のピークから成ることがわかった。これは水素の吸蔵状態が3種類あることを示すもので、KC_8Ho_<63>の510K付近に現れる大きなピークは活性化エネルギーが65kJmol^<-1>の過程に相当するものである。ESRによる結果とも合わせると、水素は水素化物イオンとて吸蔵されていることがわかる。CsC_8だけは特異で、水素吸蔵に関し不活性である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mizuka,Sano,Hideaki,Nishimura,Kenji,Ichimura: Synthetic Metals. 28. (1989)
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[Publications] Hideoki,Murakami,Mizuka,Sano,Ikuzo,Kanazawa,Toshiaki,Enoki,Hiroo,Inokuchi: Synthetic Metals. 30. (1989)