1988 Fiscal Year Annual Research Report
間接冷却法による高電流密度超電導マグネット開発に関する研究
Project/Area Number |
63055036
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松原 洋一 日本大学, 理工学部, 助教授 (80125062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 久恭 日本大学, 理工学部, 助教授 (30059513)
小笠原 武 日本大学, 理工学部, 教授 (40059340)
平林 洋美 高エネルギー研究所, 教授 (90013383)
|
Keywords | 超電導マグネット / 極低温 / 熱伝達 |
Research Abstract |
核融合実験装置に使用される超電導コイルに要求される特性の1つとして、コイルの高電流密度化の限界を明らかにすることが求められている。本研究では、従来小型超電導マグネットにおいて最も電流密度を上げ得る方式として実績のある含浸コイル方式の大容量化の限界を探ることを目的とし、本年度はNb_3Snテープ導体によるパンケーキ型コイルの特性試験を行い、以下の成果を得た。 (1)浸漬冷却テープ導体超電導マグネットの磁気的不安定性 テープ導体を用いた超電導マグネットの安定性は、端部パンケーキにおける磁束跳躍現象(flux jump)が超電導破壊(クエンチ)をトリガするという機構で説明される。励磁中に磁化曲線(major loop)上で発生する小規模な不安定性(minor flux jump)は、Bnmax=Bfjにおいてmajor flux jumpをトリガし、クエンチに到らしめていると考えられる。浸漬冷却された12パンケーキNb_3Sn超電導マグネットのボア中にパルスマグネットを挿入し、励滋中に周期的なパルス磁界を擾乱として加えるとクエンチ電流は4.2Kの値に比べてHeI(4.2K)で30%、HeII(1.9K)で70%増加した。これは、擾乱が磁化をmajor loopから離し、トリガとしてのminor flux jumpを起さなくするためである。これらの実験は、今後行われる間接冷却テープマグネットの安定化のための予備的研究として行われた。 (2)ワックス含浸コイルの間接冷却特性 テープ巾5mmのNb_3Sn導体によるコイルをエッヂ冷却した場合、冷却温度が4.2Kではflux jumpによる不安定性が観測され、クエンチ電流が導体の臨界電流値Icを大幅に下回るが、冷却温度を10K付近に上昇させると、ほぼIc上での運転が可能となる事が見い出された。この時、テストコイルの電流密度は430A/mm^2で、テープ面に垂直な磁場成分約2Tまで安定に動作することが確認された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] H,Kobayashi: 11th International Conference on Magnet The. (1989)
-
[Publications] Y.Matsubara;T,Ogasawara,et al.: 11th International Conference on Magnet Technology. (1989)
-
[Publications] Y.Matsubara;T,Ogasawara,et al.: 1989 Cryogenic Engineering Conference. (1989)
-
[Publications] 小林久恭: 平成元年度春期低温工学超電導学会. (1989)
-
[Publications] 松原洋一、小笠原武 他: 平成元年度春期低温工学超電導学会. (1989)