1990 Fiscal Year Annual Research Report
視覚化手法によるコロイド結晶欠陥及び反応速度論に関する基礎的研究
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63060003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊勢 典夫 京都大学, 工学部, 教授 (00025868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 淳平 福井大学, 工学部, 助手 (80220424)
伊藤 研策 大阪経済大学, 教養部, 講師 (10192494)
松岡 秀樹 京都大学, 工学部, 助手 (40165783)
北野 博巳 京都大学, 工学部, 講師 (40115829)
曽我見 郁夫 京都産業大学, 理学部, 教授 (20065832)
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Keywords | 高分子ラテックス / 構造形成 / オストワルド熱成則 / 超小角X線散乱 / 中性子散乱 / 第一種電気粘性効果 / コロイド結晶 / 溶液構造 |
Research Abstract |
(1)超小角X線散乱(USAX)装置を完成し,ラテックス系を標準試料としてそのcalibrationを行った。この結果,独立の方法によって決定された粒子径に期待される散乱曲線が得られること,8μmにも達する大きな密度ゆらぎの測定が可能になった。これは本邦における第1号機,世界的にも30年振りの第2号機である。(2)ドイツJu^^¨lichにおいて超小角中性子散乱の実験を行い,イオン性高分子について低角領域に明白なuptusn現象を認めた。これは溶液内における不均一性の存在を示す。(3)コロイド結晶成長の動力学を顕微鏡観察と画像処理装置を用いて追跡し,オストワルド熱成則が成立していることを確認し,粒子間相互作用に引力作用が果している役割を確認した。(4)イオン性高分子系の粘度を測定し,明瞭なshearーthinning効果を認め,Einstein則からのずれを第一種電気粘性効果に帰することに成功した。(5)イオン溶液系における相互作用を一次元平板モデルについて近似なしに解き,電気的引力の存在を理論的に解明した。(6)その他,種々のイオン性溶質(例,牛血清アルブミン,シリカ粒子)について動的光散乱実験を行い複数の運動モ-ドの存在を確認している。現在このモ-ドがいかなる物理的現実に対応しているのかについて検討中であるが,一つの可能性として,本研究で見出された二状態構造が挙げられよう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Yamanaka: "Revisit to the Intrinsic ViscosityーMolecular Weight Relationship of Ionic Polymers.2." J.Am.Chem.Soc.112. 587-592 (1990)
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[Publications] H.Yoshida: "Microscopic Observation and Quasielastic LightーScattering Measurements of Colloid Crystals." J.Am.Chem.Soc.112. 592-596 (1990)
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[Publications] N.Ise: "Ordering of Latex Particles and Ionic Polymers in Solutions." Langmuir. 6. 296-302 (1990)
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[Publications] H.Matsuoka: "Elastic Scattering from Cubic Lattice Systems with Paracrystalline Distortion II." Phys.Rev.B.41. 3854-3856 (1990)
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[Publications] K.Ito: "Growth of Local Structure in Colloidal Suspensions." Phys.Rev.B.41. 5403-5406 (1990)
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[Publications] N.Tanaka: "Raman Spectroscopic Study of Hydrogen Bonding in Aqueous Carboxylic Acid Solutions." J.Phys.Chem.94. 6290-6292 (1990)