1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の増殖・分化を支配する情報伝達系ーGTP結合蛋白質とくに百日咳毒素(IAP)標的蛋白質の役割を中心にー
Project/Area Number |
63060005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇井 理生 東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堅田 利明 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10088859)
榎本 武美 東京大学, 薬学部, 助手 (80107383)
花岡 文雄 東京大学, 薬学部, 助教授 (50012670)
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Keywords | GTP結合蛋白質 / 百日咳毒素(IAP) / 細胞増殖 / 蛋白質のADPリボシル化 / 細胞周期 / 細胞膜受容体 |
Research Abstract |
G蛋白質の多様性 ブタ脳の膜画分より分子量25kのいわゆる小分子G蛋白質を精製し、その反応機構を解析した。従来のG蛋白質とは異なり単量体のこの新蛋白質は、Mg存在時にはGTP-GDP交換活性を示さず、IAPによってADPリボシル化されない。3T3繊維芽細胞の増殖におけるG蛋白質の関与 swiss 3T3細胞を親株として、EGF、インシュリン、PDBuそれぞれ単独の添加でGo期から脱出してDNA合成を開始できる株を分離した。EGF単独でDNA合成を開始できる株について詳細に解析し、IAP基質G蛋白質とCキナーゼの関与を証明した。細胞周期のGlよりS期への移行に必要なG蛋白質を指名するヒト遺伝子の検索 酵母のcdc変異の1つを相補するGST1遺伝子をプローブとして、ヒトKB細胞cDNAライブラリーよりそのホモローグ(GST1-Hs)を分離した。塩基配列を決定し、分子量55kのG蛋白質を指令することを見出した。DNA複製の無細胞モデル系の確立 SV40ウイルスのミニクロモソームを用いた無細胞DNA複製系を確立した。一方、ポリオーマウィルスの高分子T抗原とDNAおよびマウス細胞抽出液を混合してポリオーマウィルスDNA複製系を確立した。また高分子T抗原にはDNA2本鎖巻きもどし活性があることを示した。この系を用いて、DNA複製開始に関して見出された種特異性がウイルスT抗原と宿主DNAポリメラーゼα-プライスマーゼとの相互作用によって決定されることを見出した。クロマチン蛋白質のリン酸化 マウス細胞より精製したトポイソメラーゼ活性が共存するリン酸酵素によってリン酸化されて上昇することを見出し、リン酸化によるクロマチン高次構造の変換の解析の手掛かりを得た。
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[Publications] T.Terashima;T.Katada;M.Oinuma;Y.Inoue;M.Ui: Brain Res.442. 305-311 (1988)
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[Publications] H.Saito;F.Okajima;T.F.P.Malski;R.I.Sha'afi;M.Ui;T.Ishizaka: Proc.Nath.Acad.Sci.USA. 85. 2504-2508 (1988)
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[Publications] H.Itoh;T.Katada;M.Ui;H.Kawasaki;K.Suzuki;Y.Kaziro: EFBS Lett.230. 85-89 (1988)
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[Publications] F.Okada;Y.Tokumitsu;M.Ui: J.Neurochem.51. 194-199 (1988)
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[Publications] T.Murakami;F.Okajima;M.Ui: Horm.Metabal.Res.20. 460-461 (1988)
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[Publications] T.Katada;S.Imai;M.Tohkin;M.Ui: J.Blol.Chem.(1989)
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[Publications] M.Ui: "pathogenesis and Immunity in Pertussis" John Wiley&Sons, 121-145 (1988)
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[Publications] M.Ui;F.Okajima;T.Katada;M.U;: "Advances in Second Messenger and Phosphoprotein Research." Raven Press, 39-45 (1988)