1988 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質受容体およびイオンチャンネルの構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
63065003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沼 正作 京都大学, 医学部, 教授 (50025516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 泰 京都大学, 医学部, 助手 (10178030)
田辺 勉 京都大学, 医学部, 助手 (70183069)
井本 敬二 京都大学, 医学部, 講師 (00176512)
野田 昌晴 京都大学, 医学部, 助教授 (60172798)
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Keywords | cDNA発現 / 部位特異的変異 / パッチクランプ法 / ニコチン性アセチルコリン受容体 / Na^+チャンネル / Ca^<2+>チャンネル / E-C coupling / ムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプ |
Research Abstract |
ア)組換えDNA技術を用いて点変異を導入したニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルcDNAをアフリカツメガエル卵母細胞で発現させ、変異チャンネルの機能をパッチクランプ法を用いて解析し、各サブユニットの疎水性領域M2近傍の負電荷を持つアミノ酸残基が3つの環状構造を形成して、本受容体チャンネルのイオン透過速度を決定していること明らかにした。イ)ア)と同様の手法でcDNAの人工的改変によってNa^+チャンネルの電位感受性部位または不活性化に関わると推測される領域に種々の変異を導入した。現在これらのcDNAから変異Na^+チャンネルを発現させて、その機能を解析中である。ウ)E-C couplingを欠損する変異であるmuscular dysgenesisを有するマウスの骨格筋細胞に、インジェクトスコープを用いて骨格筋Ca^<2+>チャンネルブロッカー受容体cDNAを注射し発現させることによって、E-C couplingを回復させることに成功し、本受容体がE-C couplingに必須の成分(おそらくvoltage sensor)としておよびCa^<2+>チャンネルとしての二重の機能を果たしていること明らかにした。エ)4種類のムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプcDNAをNG108-15 neuro-blastoma-glioma雑種細胞に発現させアゴニストに対する応答を比較することによって、本受容体サブタイプが異なるeffector systemと選択的に共役することを明らかにした。さらに、本受容体サブタイプIとIIIはアゴニストに対する感受性を異にすることを見出した。また本受容体サブタイプのmRNAの組織分布を明らかにした。オ)cDNAと発現ベクターを用いてCHO細胞にニコチン性アセチルコリン受容体αサブユニットまたはムスカリン性アセチルコリン受容体(mAchRI)を発現させ、これらの蛋白を産生する細胞株を得た。現在、遺伝子増幅などの技術を用いて産生蛋白量の増加を図るとともに大量培養を計画中である。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Akiba,I.et al.: FEBS Lett.235. 257-261 (1988)
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[Publications] Fukuda,K.et al.: Nature. 335. 355-358 (1988)
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[Publications] Imoto,K.et al.: Nature. 335. 645-648 (1988)
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[Publications] Maeda,A.et al.: FEBS Lett.239. 339-342 (1988)
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[Publications] Tanabe,T.et al.: Nature. 336. 134-139 (1988)
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[Publications] Neher,E.et al.: FEBS Lett.240. 88-94 (1988)
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[Publications] Bujo,H.et al.: FEBS Lett.240. 95-100 (1988)
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[Publications] Kubo,T.et al.: FEBS Lett.241. 119-125 (1988)
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[Publications] Mishina,M.&Numa,S.: "Structure and function of acetylcholine receptors,in"UCLA Symposia on Molecular and Cellular Biology"Vol.72" Alan R.Liss Inc., 61-68 (1988)
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[Publications] Numa,S.: "Molecular structure and function of acetylcholine receptors and sodium channel,in"Molecular Biology in Physiology"" Raven press, 93-118 (1989)
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[Publications] Numa,S.et al.: "Molecular basis of the functional heterogeneity of the muscarinic acetylcholine receptor,in"Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology"Vol.53" Cold Spring Harbor Laboratory,
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[Publications] Numa,S.: "A molecular view of neurotransmitter receptors and ionic channels,"The Harvey Lectures"Vol.83" Alan R.Liss Inc.,