1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63065004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 博 大阪大学, 医学部, 教授 (30028295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
渡邊 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Keywords | ヒスタミン / 視床下部 / 神経回路網 / 微小脳透析法 / 概日リズム / 刺激-遊離相関 / アストロサイト / ヒスタミン受容体 |
Research Abstract |
脳内ヒスタミン神経系に関して以下のような研究成果を得た。 I.形態学的研究:ヒスタミンニューロンに対してどのような神経活性物質を含有する神経終末がシナプスを形成し、ヒスタミンニューロンの活動を調節しているかを免疫電顕ミラー法を用いて検索し、サブスタンスP(SP)を含有する線維とニューロペプチドY(NPY)を含有する線維の2種の入力を確認することができた。 II.神経薬理・生理学的研究:視床下部スライスを用いたin vitro灌流法を用いて各種神経活性物質のヒスタミン遊離に及ぼす影響を検索し、グルタミン酸およびアスパラギン酸が促進的に、アデノシン、SP、GABAが抑制的に作用することを見いだした。また、in vivoでの微小脳透析法では、視床下部後部の電気刺激により視床下部前部からのヒスタミン遊離が約倍に増加することを認め、この系が脳内ヒスタミン動態の研究にきわめて有用であることを確認した。さらに、脳室内ヒスタミン投与により概日リズムの位相シフト現象が起こることを見いだした。 III.神経化学・細胞生物学的研究:ヒスタミンニューロンのモデルとしてのラット好塩基球性白血病細胞(2H3)を用い、細胞膜表面上のIgE需要体刺激に伴うヒスタミン遊離の機構をイノシトールリン脂質の代謝回転促進、細胞内Ca^<2+>の上昇を同時に測定することにより研究した。また、遊離刺激に遅れてヒスチジン脱炭酸酵素活性が上昇することを見いだし、この上昇はCキナーゼを介する酵素誘導によるものと思われた。 IV.分子生物学的研究:ヒスタミンH_1-受容体の精製および再構成とヒスタミン代謝酵素系のクローニングについては研究が進行中である。また、ラット脳初代培養星状膠細胞にヒスタミンH_1-受容体が存在することを結合実験により見いだした。このことは、脳内ヒスタミンの機能を考える上に、標的としての膠細胞の重要性を示すものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.Tamiya: Neurosci.Lett.,(1989).
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[Publications] R.Tamiya: Brain Res.(1989).
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[Publications] N.Inagaki: J.Comparative Neurology.273. 283-300 (1988)
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[Publications] N.Itowi: Neuroendocrinology.(1989).
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[Publications] K.Maeyama: Biochem.Biophys.Res.Commun.151. 1402-1407 (1988)
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[Publications] K.Onodera: Agents Actions,19(1989).