1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63103002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部中間子科学研究センター, 助教授 (50010947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80011500)
岩崎 雅彦 東京大学, 理学部中間子科学研究センター, 助手 (60193728)
三宅 康博 東京大学, 理学部中間子科学研究センター, 助手 (80209882)
西山 樟生 東京大学, 理学部中間子科学研究センター, 助手 (50164611)
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Keywords | ミュオン / 超伝導磁石 / 超臨界ヘリウム冷却 / メソンファクトリー / 高温超伝導体 / 核物性 / 医学診断 / 非破壊分析 |
Research Abstract |
3年間の事業である低速DC負ミュオンビームチャネルの開発は、作業の遅れていた部分の対処も含めて、今年度中に予定通り完成させる事ができた。今年の補助金の使用は次の2点に対して行なわれた。昨年度までに本体が完成していた、超伝導、ソレノイド及びクライオスタットを用いた本格的な励磁試験、耐久試験、インターロック等の作業試験等々を製作会社内で行ない、試験報告書及び全システムの取り扱い説明書を用意した。ひきつづいて、ソレノイドを現地トライアムフ研究所に設置する際に必要不可欠である、ソレノイド系の設置架台、カナダ側で用意したビームチャネルを超伝導ソレノイドと合体させるための大型フランジ、等々の取り合い部分を、現場の寸法に合わせ注意深く製作した。 これらの作業を経て、超伝導ソレノイドは、現地に送られ、設置作業を進めると共に、これ迄に完成していた超臨界ヘリウム冷却系と合体され、冷却試験及び励磁試験が行なわれた。それらの結果、予定通りの性能を持つことが確認された。1988年秋よりトライアムフ加速器を動かし、ミュオンビーム発生、及びビーム調整実験に入った。既に次の点が明らかになっている。 1)7MeVの低エネルギーで10^4μ^-/cm^2Sの強度が得られ目標性能が得られている。 2)2MeVでも10^5μ^-/Sの強度があり、高い偏極度がある。 かくして世界最強の低速DC負ミュオンビームチャネルが完成した。 更に、特定研究の他の班の方々との共同実験が開始され、次のような大きな成果があがっている。 1)高温超伝導体LaSrCuOにおいて捕獲されたμ^-の内部場を系統的に調べた。 2)ミュオンによる医学診断のテストをして、人体骨のCaの成分を定量化出来ることを示した。
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[Publications] H.Kitazawa,;K.Katsumata,;E.Torikai,;K.Nagamine: Solid State Comm.67. 1191 (1988)
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[Publications] K.Nagamine,;T.Matsuzuki,;K.Ishida: Muon Catalyzed Fusion. 2. 73 (1988)
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[Publications] T.Matsuzaki,;K.Ishida,;K.Nagamine,;Y.Hirata,;R.Kondo: Muon Catalyzed Fusion. 2. 217 (1988)
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[Publications] 永嶺謙忠: 科学. 58. 423 (1988)
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[Publications] 永嶺謙忠: フロンティア・サイエンスシリーズ. 1988.