1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63103012
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 栄胤 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (00016031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正信 京都大学, 理学部, 助手 (90025479)
野呂 哲夫 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30164750)
鈴木 徹 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20175409)
酒井 英行 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (90030030)
片山 一郎 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (30028237)
|
Keywords | 中間子原子 / X線分光学 / 大型中性子検出器 / 液体シンチレータ / ビーム冷却 |
Research Abstract |
中間子原子のX線分光学はこれ迄貴重な知見を与えて来たが、中間子吸収確率が大きい為、対象と出来る原子核や原子準位に大きな制約がある。一方、この中間子原子は閾値付近のエネルギーの核反応における共鳴(干渉)効果として観測する事が原理的には可能であり、X線分光で取扱えない領域の測定手段として有望視されている。我々のグループでは、中間子原子崩壊確率が大きい為に最も有効であると思われる放出中性子の観測を目射している。本年度も昨年に引続き大型高効率二次元位置感知型中性子検出器の開発を行った。 二次元位置感知型中性子検出器は四隅からシンチレーション光を読み出し、相互の時間差から二次元位置を求めるユニークな方式である。今年度は、昨年製作した液体シンチレータを用いた50cm×50cm×5cmの形状に引き続きプラスチックシンチレータを用いて100cm×100cm×10cmの形状の検出器を製作した。エネルギー60MeVの中性子を用いたテスト実験で、4ー10cmの位置分解能を得た。現在改良、開発を続けている。 一次元位置感知型中性子検出器を組み合わすことで中性子ポラリメータを構成し、^<40>Ca(p^^〓,n^^〓)反応による偏極移行量の測定を行い、パイオニック状態と呼ばれるO^-状態の探索を行った。約1/4のデータ解析が終った段階であるがO^-状態の発見には至っていない。 また、今年度はTRIUMFでの(n,p)反応による中間子原子生成実験とKEKでの(p,nΔ^<++>)反応実験に参加協力を行った。 中間子原子測定に際して重要となる超高エネルギー分解能ビームを得る新原理に基づく相対論的粒子ビームの冷却方式が本研究代表者池上により考案された。 ワークショップ「核内スピンアイソスピン励起」を開催した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] H.Ikegami: Physcal Review Letters.to be published in April.(1989)
-
[Publications] H.Sakai,H.Okamura and H.Ikegami: RCNP Annual Report.to be published.(1989)
-
[Publications] H.Ikegami: Phys.Rev.Letters. 60. 929-932 (1988)
-
[Publications] H.Sakai;H.Okamura;M.Ieiri;N.Matsuoka;A.Shimizu;H.Shimizu,K.Shirane;M.Tosaki: Proc.5th International Conference on Nuclear Reaction Mechanisms at Varenna Italy.444-453 (1988)
-
[Publications] Y.Miyama;T.Suzuki: Proc.International Conference on Relativistic Nuclear Many-Body Physics,World Scientific,1989 ed.B.C.Clark et.al.(1989)