1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63107001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 喜一 大阪大学, 工学部, 教授 (50029170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 和夫 京都大学, 工学部, 助手 (80108761)
谷沢 和隆 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90001049)
井上 祥平 東京大学, 工学部, 教授 (20010762)
田中 渥夫 京都大学, 工学部, 教授 (80026088)
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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Keywords | 集積反応場 / 包接重合 / リン酸二分子膜 / メチレンブルー / シアニン色素 / ポルフィリン / リポソーム / 人工細胞 |
Research Abstract |
生体系に見られる各種の集積場のモデル研究に焦点をあて、機能設計原理の確立およびその展開を目的とする研究を遂行し、目的を達成した。まずデオキシコール酸およびその誘導体をホスト分子とし、ブタジエン誘導体をゲスト分子とする包接重合の研究をさらに一歩押し進め、ホスト集合体の形成する反応場空間の差異が、特異的構造をもつ生成高分子に与える影響を反応速度、生長ラジカル寿命、立体規則性の差異などの比較によって検討し、集積反応場の役割を浮きぼりにし得た。またキラルなリン酸二分子膜の特異な分子配向構造を利用して、各種の発色団スペクトル機能の制御をメチレンブルーやシアニン色素に対して行い重要な知見を得た。さらにカタラーゼのもつ触媒活性と過酸化活性のうち、後者を特異的に発現させる系を開発するとともに、この新しい集積酸化反応場の確立のために光橋かけ型樹脂の内部に本共役系を固定化して安定に保持させることに成功した。また独自に分子設計された両親媒性のポリエーテルポルフィリンをベースに生成した水溶性の鉄ポルフィリン錯体の、水中での諸特性を検討し、水溶性の側鎖と、ポルフィリン環同志の疎水性相互作用との関連を明らかにした。これらに関連して、酵素の触媒効率を、活性中心の不整構造との関連から解析することを目的に、光学活性アミン類の共存下での、逆性基質の挙動をも研究した。さらに鋳型分子の存在下で、ガラス表面に共有結合させた分子認識能をもつオクタデシルシリル単分子膜を用いて、その結合部位を修飾した表面がリポソームを特異的に吸着することを見出して、その吸脱着過程をくわしく検討した。以上の人工細膜、人工二分子膜、酵素および包接化合物など集積反応場のモデル研究から、機能設計原理の確立およびその展開を目的とした期待どおりの成果が得られ、本特定研究を完結することができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Miyata;T.Tsuzuki;K.Takemoto;M.Kamachi: Polymer Journal. 20. 711-714 (1988)
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[Publications] T.Kunitake: Ordering and Organization in Ionic Solutions. 270-278 (1988)
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[Publications] 田中渥夫: 細胞工学. 5. 968-973 (1988)
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[Publications] T.Aida;A.Takemura;M.Fuse;S.Inoue: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.391-393 (1988)
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[Publications] H.Yamada;K.Tanizawa: FEBS Letters. 227. 195-197 (1988)
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[Publications] K.Yamamura: Chemistry Letters. 99-102 (1988)
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[Publications] 田中渥夫: "微生物薬品化学(改訂第2版)" 南江堂, 106-119 (1986)