1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63110004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今関 英雅 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
我彦 広悦 秋田県立農業短期大学, 生物工学研究所, 助教授 (10191842)
神谷 勇治 理化学研究所, 研究員 (30100051)
神阪 盛一郎 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (60047214)
酒井 慎吾 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60033388)
渡辺 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023471)
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Keywords | 植物ホルモンの作用 / オーキシン誘導酵素 / 傷害誘導酵素 / オーキシン結合蛋白質 / 緑葉老化における遺伝子発現 / ジベレリン3β水酸化酵素 |
Research Abstract |
オーキシン及び傷害によって誘導されるアミノシクロプロパンカルボン酸(ACC)合成酵素の研究において、今関はオーキシン誘導酵素と傷害誘導酵素は同一組織においても免疫化学的、クロマトグラフ的に異なる蛋白で両者は違った遺伝子の産物であり、発現遺伝子の選択が異った刺激で正確になされることを明らかにした。酒井はヤエナリ単離核においてオーキシン結合蛋白I及びII(ABP)がオーキシンの存在下でそれぞれ異った特有のmRNAを合成することを明らかにした。この結果は植物ホルモン作用を無細胞系で示した最初の成果である。さらに、ABPがRNAポリメラーゼIIと結合することを証明した。この結果はオーキシンが結合蛋白質、ポリメラーゼIIとの相互作用のもとに発現遺伝子を選択する可能性を示すものである。渡辺は緑葉老化に関係するcDNAクローン1の発現調節を追究し、フィトクロームは関与しないが光合成電子伝達が停止して糖濃度が低下すると発現することを明らかにした。老化と光合成との関係を遺伝子レベルで証明した最初の成果である。神阪は細胞壁内フェルラ酸の存在様式を明らかにし細胞壁伸展性との関係を詳細に調べ細胞加令と生長能力との関係を明らかにした。神谷はジベレリン活性の発現に必要な3β水酸化を触媒する酵素を高度に精製し、本酵素が3β水酸化のほかエポキシ化反応も触媒することを証明した。我彦は日本産アグロバクテリウムのT-DAN構造と植物癌誘起能との関係を調べ、植物ホルモン合成遺伝子周辺の挿入DNAが重要な要素となることを推定している。本研究において、植物ホルモン合成に関与する遺伝子と作用に関係する遺伝子の機能が特定され、それらの遺伝子の構造研究、発現制御領域の特定に至る道が開かれた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakajima,N.: Plant and Cell Physiology. 29. 989-998 (1988)
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[Publications] Nakagawa,N.: Plant and Cell Physiology. 29. 1255-1259 (1988)
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[Publications] Imaseki,H.: Signals of Cell Separation Processes in Plants ed,D.J.Osborne and M.B.Jackson,Springer-Verlag. (1989)
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[Publications] Kawakami,N.: Plant Physiology. 88. 1430-1434 (1988)
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[Publications] Kwak,S.S.: Plant and Cell Physiology. 29. 707-711 (1988)
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[Publications] Kwak,S.S.: Plant and Cell Physiology. 29. m935-943 (1988)