1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63111002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
朝倉 昌 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
松本 元 電子技術総合研究所, 電子計算機部, 室長
宝谷 紘一 京都大学, 理学部, 助教授 (80025444)
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30089883)
香川 靖雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (30048962)
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Keywords | 分子機械 / ATP合成酵素 / 滑り運動機構 / 動的不安定性 / 細胞骨格 / 細胞接着分子 / 膜リセプター |
Research Abstract |
蛋白質分子集合体の構造形成をめぐって、ファージ尾鞘の形成と収縮能の解析が進み、サルモネラ菌べん毛の基部体の形成に関する遺伝学的研究が展開された。またウニ精子のヒストンが特殊なアミノ酸配列(SPKK)の繰り返しを持ち、これが遺伝子制御に重要な役割をはたしていることが示された。蛋白質分子集合体のエネルギー変換に関しては、好熱菌のATP合成酵素の中性子散乱実験が行われ、集合体構造内の各サブユニットの位置及びヌクレオチド結合によるその変化が明らかにされた。アクチン・ミオシン間の滑り運動について、超微操作により1本のアクチンフィラメントがガラス面上に固定されたミオシン分子との間に発生する力を測定する技術が開発された。こうして測った滑り力の時間的揺ぎの小さいことから、化学エネルギーが小出しに使われている可能性が強い。蛋白質分子集合体のダイナミックスをめぐり、試験管内の微小管の動的不安定性が詳しく調べられるとともに、人工リポゾーム内で微小管を伸長させ、これによりリポゾームを変形させる実験が行われた。細胞内のアクチンの集合状態を制御すると考えられる2種類の新しい蛋白質が見つかった。ヤリイカ巨大軸索の膜裏打ち骨格の研究から、アクチンフィラメントが付着する領域がスポット状に局在することが示された。蛋白質分子集合体と膜機能の関係については、アクチンフィラメントを付着するアドヘレンスジャンクションの研究が進展しており、その構成蛋白質が明らかになりつつある。カルシウムに依存して働く細胞接着蛋白質カドヘリンの研究が急速度に進んでいる。そのタイプの違いによって細胞選別が行われることが見事に示された。膜リセプターの多重化学修飾(主にリン酸化)による機能制御をアロマテリックモデルに基づいて体系的に明らかにしようとする理論的研究がようやく完成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Suzuki: EMBO J.in press.
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[Publications] K.Kutsukake: Mol.Gen.Genet.214. 11-15 (1988)
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[Publications] A.Kishimoto: Nature. 334. 74-76 (1988)
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[Publications] H.Honda: J.Mol.Biol.205. 677-683 (1989)
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[Publications] M.Tanaka: Cell Motility & Cytoskeleton. 9. 191-204 (1988)
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[Publications] S.Tsukita: J.Cell Biol.108. 43-54 (1989)