1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63112003
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 昇 京都大学, 医学部, 教授 (10025596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 肇 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60079689)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
川口 三郎 京都大学, 医学部, 助教授 (70024635)
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構生理学研究所, 教授 (60013976)
|
Keywords | 海馬 / 線条体 / 黒質 / A5 / P400 / 視神経 / 小脳 / チロシン水酸化酵素 |
Research Abstract |
1.海馬アンモン角非錐体細胞は内在性ニューロンとされてきたが、ネコ海馬アンモン角非錐体細胞のなかには脳幹縫線核群の吻側部に軸索を送るものがあることがわかった。 2.ラットの線条体にはごく少数ながらチロシン水酸化酵素の免疫活性を示す中形有棘ニューロンが存在する。線条体を黒質からの入力線維から遮断するとこれらのニューロンが増数することがわかった。 3.ラットの黒質線条体線維を切断しても黒質のドーパミンニューロンの30%が残存する。これらのニューロンについて、チロシン水酸化酵素の蛋白質(活性)とmRNA量を分析したところ、対照と比べて細胞あたりの酵素活性にはむしろ増加の傾向がみられたのに対して、mRNA量は3分の1に減少していた。mRNAの量が細胞内の酵素蛋白質によって調節されている可能性がある。 4.ラットの上小脳脚交叉を切断し、切断部にラット胎仔(E15ー18)の当該部位を含む脳組織を移植したところ、9例の全例において小脳遠心路の著明な再生がみとめられた。また、これらの動物では正常ラットと区別し難い小脳ー大脳皮質応答が誘発された。 5.P400蛋白質は小脳に特異的に存在する分子量250Kの糖蛋白質であり、プルキンエ細胞に多量に発現している。P400に対する3種類のモノクローン抗体を作製し、P400の細胞内局在を解析した。P400はプルキンエ細胞の細胞膜およびシナプス部位に局在し、その一部が細胞外に突出した膜内在性の糖蛋白質であることがわかった。 6.アフリカツメガエルの視覚路に発現する細胞表面蛋白質分子A5のcDNAをクローニングし、これから作製したcRNAをプローブにして、視神経の発生・再生に際してのA5mRNAの合成量を調べた。A5分子の発現が網膜神経節細胞の軸索の伸長と関連して起ることがわかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 猪野正志: Brain research. 479. 157-161 (1989)
-
[Publications] 田代弦: Neuroscience Letters. 97. 6-10 (1989)
-
[Publications] 白尾知明: Molecular Brain Research. 4. 71-74 (1988)
-
[Publications] 加藤伸郎: J.Physiol.(London). 395. 473-485 (1988)
-
[Publications] 前田信明: J.Neurochem.51. 1724-1730 (1988)
-
[Publications] 藤沢肇: 発表予定.