1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63114009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 萬右衞門 北海道大学, 名誉教授 (30001358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 俊郎 北海道大学, 農学部, 教授 (10001421)
岡田 吉美 東京大学, 理学部, 教授 (30011703)
鈴木 昭憲 東京大学, 農学部, 教授 (90011907)
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
田村 三郎 富山県立技術短期大学, 学長 (50011771)
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Keywords | 生物科学 / 育種技術 / 細胞工学 / 分子生物 / 生物化学 / 選抜効率 / 変異拡大 / 生殖機構 |
Research Abstract |
地球上における急激な人口増加より予測される食糧不足の招来に備えるためには生物生産を飛躍的に向上させねばならない。そのため最新の生物科学に基づいて、従来の育種技術が内包する限界を突き破った新育種技術を構築する必要がある。この目的のために昭和60年より3年間にわたって本標題の下に特定研究が行われた。すなわち遺伝・育種学以外に細胞工学、分子生物、生物化学の研究者が加わり、5班(綜括班を含む)に分れて活発な研究を展開し、大きな成果をあげて来た。そこで本年度は研究をとりまとめの班を構成し、これまでに得られた成果の綜合、整理、体系化を行った。さらに代表的な成果を出版するための編集委員会を発足させ、とりまとめた大網に基づき12の課題について分担研究者へ原稿を依頼・収集して編集し、281頁より成る研究成果報告集を出版した。内容としてはA班から穀粒成分、窒素固定能および細胞質雄性不稔について個体から分子レベルまで堀下げた研究成果を、B班からは細胞のストレス選抜、細胞融合法による物質新生産系、染色体導入法の確立、C班からは自家不和合性、再分化の制御、誘導物質の開発、D班からは植物ウィルスのベクター化、トランスジュニック植物の作出、貯蔵タンパク質遺伝子の解明がそれぞれ収録されている。この出版物を通じて、かかる大型の育種研究の重要性をより多くの人々に理解して戴くことを望むものである。本研究成果が初めに意図した選抜効率の向上、変異の拡大、有性生殖の限界打破へ寄与したことは十分に評価できるが、さらに新たな進歩をとげるためには、ここで生殖機能に関する細胞ならびに分子生物学的研究が今後の研究方向として印象づけられた。植物生殖機構の解明は育種の基礎として重要であるのみならず、生殖機構の自由な人為的コントロールを可能にし、品種改良、生産性向上を通じて人類の最大課題である食糧増産に寄与することで重要な意義を持つ。
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Research Products
(1 results)