1989 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の在宅ケアに必要とされる住宅及び居住環境の質に関する研究
Project/Area Number |
63300005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00211433)
島内 節 国立公衆衛生院, 衛生看護学部, 室長 (70124401)
田中 正敏 福島県立医科大学, 教授 (90112721)
大貫 稔 筑波大学, 社会医学系, 教授 (30013866)
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Keywords | 在宅ケア / 居住環境 / 住宅 / 高齢者 / 都市化 / 地域医療 / ソ-シャルサポ-ト / 健康都市 |
Research Abstract |
昭和63年度の研究結果をふまえ、本年度は、1.高度稠密巨大都市における高齢者の健康水準ならびに居住環境の特徴を明らかにするための保健指標、社会指標の分析、並びに2.ソ-シャルサポ-トシステムを含む居住環境に注目した各分担者の専門領域を活かした調査研究を行った。さらに、総合研究としての長所を活かし、人的資源の活用、地域のネットワ-クの整備、都市環境の整備といった広い立場から、効果的で効率的な在宅ケアを成熟させるための居住環境の質を提示し、これを実現させるための最終的な「総合討論」を行った。なお、「居住環境」は健康のために必要なすべてのサ-ビス・施設・設備を含むものである。 その結果、1.高齢者の在宅ケアを一般化し普及するためには、住宅の中だけでなく、屋内から屋外へ出るまでの設備、道路や公共交通機関の設備、公共建物の設備等が、青壮年層だけでなく、高齢者の利用に適合するものとしなければならないこと、2.従来、住宅改造を行うことのみが強調されてきたが、特に障害の重い高齢者にとっては、住宅改造のみでは健康水準の大きな改善に対する寄与が小さく、介護者のマンパワ-が不可欠であること、3.中等度から軽度の障害をもつ高齢者については、住宅改造に加えて、適切な運動処方、生活改善のための助言や、医療・保健・福祉サ-ビスの供給が必要であること、4.高齢者の在宅ケアにおいては、社会資源と家族を含めたネットワ-クにより生み出されるソ-シャルサポ-トシステムが重要な要素であり、従来の縦割枠にとらわれない柔軟な組織の運用により、実質的なネットワ-クを機能させる必要があること、が結論として得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村桂子: "高齢者の居住場所に影響を及ぼす移動能力並びに住居の条件に関する研究" 日本衛生学雑誌. 45. (1990)
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[Publications] 田中正敏: "地域の老人・福祉センタ-としての老人病院計画" 新医療. (9). 99-103 (1989)
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[Publications] Takano,T: "Baseline data for Healthy City Tokyo" ぎょうせい, 300 (1990)