1988 Fiscal Year Annual Research Report
知能・人格診断のための神経心理学テスト・バッテリーの開発
Project/Area Number |
63301013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂野 登 京都大学, 教育学部, 教授 (80025105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊田 行秀 大阪学院短期大学, 講師 (10193426)
藤岡 秀樹 岩手大学, 教育学部, 講師 (40190011)
近藤 文里 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (00133489)
千原 孝司 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (20025000)
子安 増生 京都大学, 教育学部, 助教授 (70115658)
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Keywords | 神経心理学テスト・バッテリー / 前頭葉 / 左半球 / 右半球 / 系列性 / 空間性 |
Research Abstract |
本研究で作成された神経心理学テスト・バッテリーは、(1)順序性記憶発見テスト、及び(2)系列混乱発見テストであって、それぞれ系列の長さを変化させることによって課題の困難度を操作し、正常者群では幼児より成人までの適用を可能にした。また課題で用いられた文字或いは図形は単純なものであるので、知的障害児にも適用可能であった。(1)の順序性記憶発見テストは特に前頭葉機能の系列的処理の特徴を発見するために作成されたものであって、線画の中に平仮名がかくされていて、線画と平仮名の系列のいずれが記憶され易いかを測定することが可能であった。従って前頭葉の左半球及び右半球機能の相対的優位性が測定可能となった。またテストはいわゆるペーパーアンドペンシル式のものとカード式の2種類が作成され、前者における空間的要因(順序性全体が見渡せることによる)の影響を検討した。(2)系列困難発見テストは、系列的要因を空間的要因と同時に測定しようとするものであって、図形、数字、文字の系列に分かれていた。更にこのテストでは、要素数、論理的順序性、2次元的回転、3次元的回転、移動(前後・左右)分離(前後・左右)視点の移動などが測定可能であった。 実験は主に大学生及び小学生を対象に行われたが、(1)(2)のテストのそれぞれの下位検査の得点を基にした相関マトリックスから、それぞれのテスト及び下位検査の特徴が検討された。特に(1)の順序性記憶発見テストからは、テスト成績の発達的変化が発見出来ただけでなく、左右の前頭葉機能を発達的或は個人差的に分離することが可能であった。 これらの成果を基にして、他のテスト・バッテリーとの相関を求め、その妥当性を検討した。しかし研究期間が5ヶ月間と短かかったため、作成された2種のテストを十分に検査していないので、早急に不足部分を補うよう計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sakano Noboru.: Psychologia. 31. 53-62 (1988)
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[Publications] 坂野登: 京都大学教育学部紀要. 35. 115-133 (1989)
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[Publications] 子安増生: 京都大学教育学部紀要. 35. 134-153 (1989)
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[Publications] 坂野登: "子どものこころを読む" 青木書店, 202 (1988)