1989 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会の政治構造と政治意識の総合研究-近畿圏を中心として-
Project/Area Number |
63301023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
居安 正 大阪大学, 人間科学部, 教授 (30031339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高坂 健次 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60027977)
中道 實 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (40067690)
中村 宏 島根大学, 法文学部, 教授 (40093653)
依田 博 神戸大学, 教養部, 教授 (50093539)
間場 寿一 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60030037)
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Keywords | 地域政治 / 有権者 / 投票行動 / 政治的社会化 / 階層帰属意識 / 政党支持 / 交際ネットワ-ク / 不公平感 |
Research Abstract |
本研究は3年計画で地域政治に関する総合的研究を行なうものであり、昨年度の政治家調査に続き、2年目の平成元年度は有権者調査の実施を中心的な課題としている。同内容のアンケ-トを地域政治の両主体に行ない、結果を分析し比較することは、かつてない試みであり、調査の内容および方法に特別な工夫を必要とした。 1.調査内容としては昨年の連続性をもたせつつ、選挙や議員活動の実態に対する有権者の評価を中心に、政治的社会化、政策要求、社会意識、政党支持、交際ネットワ-ク、モラルなどを問うた。その際、住民調査ということで質問を簡潔にすることが求められた。 2.方法としては昨年同様の郵送法ながら、政治家調査のような特定の集団の全数調査とは逆に、全有権者からいかに偏りのないサンプリングを行なうかが課題となる。そこで統計数理研究所の協力を受け、総理府国民性調査と同じサンプリングを実施し、近畿2府3県と鳥取・新潟2県を対象に5390名の有権者を抽出した。これは昨年との比較及び代表性の両条件を満たすものである。回収した1849票についても居住自治体の人口規模、年齢、性別などについて偏りがないことがわかっている。 3.調査結果についても現在既に基礎集計が完成している。政治の現状に対する強い批判と共に根強い保守支持は、はからずも総選挙の結果を予測するものとなった。すなわち集計結果から地域推薦や後継者指名に反発しつつも利益代表としての政治家を重要視している有権者像が明らかになり、その結果大政党支持に傾いている。詳細な分析は最終年度の課題である。 4.なお、昨年度の政治家調査の分析も並行して行ない、デ-タクリ-ニングとクロス集計及び因子分析を実施した。
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