1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63301024
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
篠原 隆弘 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (10041089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 秀之 鹿児島大学, 法文学部, 講師 (00204933)
谷 富夫 広島女子大学, 文学部, 助教授 (30135040)
山口 弘光 松山大学, 人文学部, 教授 (20102098)
小谷 典子 山口大学, 人文学部, 助教授 (60117083)
鈴木 廣 九州大学, 文学部, 教授 (10036965)
|
Keywords | 「コミュニティ」 / 先端産業型小都市 / 在来・先端産業型中都市 / 「コミュニティ」行政 / 「統合」 / 「社会化・余暇」 / 「コミュニティ」活動 / 「アイデンティティ」 |
Research Abstract |
1.今年度私たちは、(1)西日本の鹿児島・熊本・大分・福岡・山口・広島・愛媛の7県の561の全市町村に対する、郵送法による「コミュニティ」行政実態調査、(2)国分市(先端産業型小都市)と大分市(在来産業・先端産業型中都市)の都合5地区における、地域住民組織レベルの「コミュニティ」活動の実態聴取調査、(3)上記5地区住民のうち1,500標本に対する、標準化調査票による住民レベルの「コミュニティ」活動等の大量個別面接調査、の3つの作業を実施した。各作業の概要と成果を要約すると次の通りである。 2.まず「コミュニティ」行政実態調査については、鹿児島県下市町村(回答事例59)の結果分析を終えた。いくつもの興味深い事実を発見することができたが、そのいくつかだけを摘記すると次のようである。(1)昭和63年度に「コミュニティ」行政の名のもとに予算執行された事業件数は町村市の順で多く、同行政の施設・職員配置上の集計が一番整っている市で事業件数が一番少ない。(2)それらの事業のための執行予算額は市町村の順で多く、市と町、町と村の間の格差が大きい。(3)執行予算額の対全予算比率はあまりにも小さいという以外にない(市0.34%、町0.53%、村0.42%)。(4)「コミュニティ」行政という名のもとに進められているのは、主要には、地域対立を構成する諸単位(個人・団体)間のまとまりの創出・維持にかかわる「統合」事業と、諸単位の教育・学習と余暇・緊張処理にかかわる「社会化・余暇」事業である。 3.次いで作業(2)について一言だけいえば、住民組織レベルでの「コミュニティ」活動の今日的焦点は、自らの住む地元の歴史・生活文化等の発掘・刊行等に示すような「アイデンティティ」の発見・確認型の活動にあることが分った。なお、作業(3)はこの3月中に実施するので、そのデ-タ解析等は、(1)、(2)の深化とともに次年度の作業課題となる。
|
Research Products
(1 results)