1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63301053
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長澤 和俊 早稲田大学, 第一・二文学部, 教授 (60083333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 圭四郎 追手門大学, 文学部, 教授 (20004012)
小田 壽典 豊橋短期大学, 教授 (00160870)
日比野 丈夫 大手前女子大学, 文学部, 教授 (00027509)
松村 潤 日本大学, 文理学部, 教授 (90058660)
護 雅夫 日本大学, 文理学部, 教授 (70011252)
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Keywords | 楼蘭出土漢文文書 / カローシュティー文書 / トルファン文書 / ウイグル文書 / オンホン碑文 / 満文老〓 / ワッサーフ年代記 / バーブル・ナーマ |
Research Abstract |
本年度は第1年度なので、中央アジア研究班を中心に、これに北アジア研究班、西アジア研究班を加え、各研究班は緊密な連絡のもとに、それぞれ各専門分野の新出史料の基礎的研究を行なった。 まず中央アジア班では、長澤和俊は楼蘭出土の漢文文書を整理し、又ニヤ出土のカローシュティー文書の分類整理を行なった。日比野丈夫は敦煌・吐魯番文書を整理し、五涼王国の成立、発展を考察した。荒川正晴はトルファン文書の基礎的整理作業を行ない、アスターナ古墳群の一覧表を作成した。小田壽典はウイグル文書のデータ・ベース化を研究し、「古ウイグル・トルコ語転写・音訳アルファベットのパソコン・フォントについて」を発表した。 北アジア研究班では、護雅夫はオルホン碑文の基礎的研究を行ない、中国史料と比較検討して、「突厥の即位儀礼補論」を発表した。また松村潤は満文老〓ならびに旧満州〓とを対校し、満文武皇帝実録編纂過程を再検討しつつある。松崎光久は西突厥の漢文史料及びペルシャ語文献を再検討し、西突厥における並存可汗系の抗争が、西突厥史展開の主要点であることを明らかにしつつある。石見清裕は突厥の「テス碑文」及び内附突厥人墓誌を検討し、「唐代の帰化と諸蕃」を発表した。 西アジア研究班では、佐藤圭四郎がイル・ハン朝の「ワッサーフ年代記」を検討し、その「フビライ汗記」と「ティムール汗記」を読了し、イル・ハン国史の再検討を行いつつある。間野英二は「バーブル・ナーマ」の検討により、中央アジア近世史の基礎史料を解明した。 なお早大大学院学生の協力を得て、中央アジア史の新出史料の基礎的文献について、カード化を進めつつある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 長澤和俊: 史観. 119冊. 2-14 (1988)
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[Publications] 小田壽典: 豊橋短期大学研究紀要. 6. (1989)
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[Publications] 護雅夫: 『榎博士頌寿記念東洋史論叢』汲古書院. (1988)
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[Publications] 荒川正晴: 史滴. 10. 19-42 (1989)
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[Publications] 松崎光久: 東アジア史上の国際関係と文化交流」. (1988)
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[Publications] 石見清裕: 中国古典研究. 33号. (1988)
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[Publications] 長澤和俊: "楼蘭王国" 徳間書店, (1988)
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[Publications] 長澤和俊: "楼蘭古城踏査記" 朝日新聞社, (1989)