1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63301062
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
水沢 利忠 文教大学, 文学部, 教授 (50042552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 康 慶応義塾大学, 斯道文庫, 教授 (80051340)
戸川 芳郎 東京大学, 文学部, 教授 (60017118)
青木 五郎 京都教育大学, 教授 (10042681)
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Research Abstract |
本年度は、各研究班に共通する『史記正義』インデックス(「本記」「列伝」「書」「表」)の作成に力を注ぎ、学際的なインデックスをつくりあげた。なお、この『史記正義』インデックスは、中国では亡佚し、日本にのみ存在していた『史記正義』佚文史料も収録してある。但し当該史料は瀧川亀太郎著『史記会注考証』や水沢利忠著『史記会注考証校補』の引用だけではなく、小沢賢二が新たに収録したものもあり、また佚文伝存の推定系統図も収めている。インデックス作成が各々の研究領域に与える影響は頗る大きい。 本年度の研究実績の第二は、斉藤国治、小沢賢二両名による『史記』への古天文学アプロ-チである。この研究は『史記』に見られる天文史料を天文計算と文献分析によって検証したものである。この研究によって、両名は戦国時代に於ける泰国年表のズレを糺し、古今の難問であった泰暦歳首を氷解させるに到ったが、諸問題解決に南化本『史記』上の欄外書き入れ等の佚文史料も用いてある。南化本『史記』上の書き入れが、文献学的研究領域と天文学(自然科学)的研究領域領域での接点となり、古代中国に於ける暦変遷と戦国年代の年表訂正とに少なからぬ影響を与えている。『史記』は、それ自体の文体が曖昧であるため解釈は難解を極めている。『史記』の三家注の一つである『史記正義』注のインデックス作成は、『史記』解釈に於ける各分野の共通の資料として、大いに活用されるものと解され、また『史記』の古天文学的アプロ-チも『史記』の誤謬をただす研究方法の確立に道を開いたといえる。
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[Publications] 斉藤国治・小沢賢二: "中国古代天文史料の検証" 雄山閣, 750 (9012)
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[Publications] 南化本総合研究会: "史記正義語彙索引(含.史記正義佚存訂補稿)" 汲古書院, 800 (9013)