1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63302013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 〓郎 東京都立大学, 理学部, 教授 (20087159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟田 泰三 廣島大学, 理学部, 教授 (80025353)
宮村 修 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80029511)
斎藤 栄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (40022694)
金田 博行 新潟大学, 理学部, 教授 (90022590)
藤井 寛治 北海道大学, 理学部, 助教授 (90000786)
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Keywords | 粒子多重発生 / クォーク・グルーオンの力学 / カイラルソリトン模型 / クォーク・グルーオンプラズマ / 超弦理論 / 弱電理論の高次効果 |
Research Abstract |
高エネルギー素粒子反応、素粒子・原子核反応、原子核・原子核反応等をクォーク・グルーオンの力学の枠内でどこまで統一的に解明できるか、また標準模型を超える手がかりをどこに見出すかという点に本研究の目的がある。本年度はこの目的に向けて実施計画の項目(1)〜の内(1)、(3)、(4)に重点が置かれた。その業績の大要は次の通りでする。 1.ハドロン・ハドロン、ハドロン・原子核、重イオン衝突における粒子発生 多重鎖模型を新たに提案し、ハドロン・原子核衝突の多重発生における先導粒子のスペクトル及び発生荷電粒子分布等の実験データを初めて一貫した理論的観点から説明した(木下ら)。diquark模型によりハイペロン発生を論じ、Sクォークの特異な振舞いを明らかにして多重発生模型を前進させた(野田、官村ら)。また原子核・原子核衝突におけるハイパー核発生断面積が初めてcoalescence模型により計算された(岡村ら)。 2.Skyrme模型とその関連問題 カイラルソリトン模型の基礎から現象論的応用まで広汎に論じられた(藤井、土岐、金田、斉藤ら)。とくに、曲った空間における量子化法をSU(3)Skyrme模型に拡張した仕事は集団座標の方法でこの模型の量子力学的構造を研究する上で最適の手段を提供したと評価される(藤井ら) 3.標準模型を超えて 超対称理論は標準模型の最小限の拡張として有望視されている。これに関与する超対称粒子を電子・陽子衝突加速器HERAにおいて実験で検索する可能性を論じ実験家に提案した(小林ら)。一方、現在の素粒子理論を根本的に超える超弦理論のRiemann多様体上の共形場としての数学的構造が数学者とも協力して詳しく論じられ(河本ら)、ボソン的超弦についてはTeV領域物理との関連で現実的議論がなされた(松岡ら)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Kon.: Physics Letters B. (1989)
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[Publications] K.Fujii.: Physical Review D. 37. 3663-3678 (1988)
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[Publications] C.Yoshida-Habe.: Progress of Theoretical Physics. 80. 1069-1077 (1988)
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[Publications] A.Hosaka.: Zeitschrift fur Physik A. 332. 97-102 (1989)
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[Publications] M.Wakai.: Physical Review C. 38. 748-759 (1988)
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[Publications] K.Kinoshita.: Progress of Theoretical Physics Supplement. 81. 183-198 (1989)
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[Publications] 杉本健三・村岡光男: "原子核物理学" 共立出版株式会社, 356 (1988)
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[Publications] 小林〓郎・広瀬立成(監訳): "コンパクト物理学ハンドブック" 丸善株式会社, 328 (1989)