1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63302015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, 教養学部, 助教授 (90110676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 万里子 慶応義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50185873)
小山 勝二 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10092206)
長谷川 博一 京都大学, 理学部, 教授 (20025232)
釜江 常好 東京大学, 理学部, 教授 (90011618)
早川 幸男 名古屋大学, 学長 (60022498)
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Keywords | 超新星 / SN1987A / X線 / ガンマ線 / 衝撃波 / 宇宙線加速 / 星風 / ダスト / ニュートリノ / 一般相対論 / 中性子星 / パルサー / 重力崩壊 / 放射性元素 / 元素の起源 |
Research Abstract |
超新星1987AのX線観測は、ひき続き定期的に行なわれ、新たな問題を提起した(槇野・小山・常深・田原)、56Coの崩壊を起源とする硬X線は、理論的には1988年の夏頃までには、減少すると予測されていたが(野本・西村)少くとも1989年初中間で有意に観測され続けている。この問題は、超新星の爆発過程でガスが塊状になり、X線の光電吸収が減るというモデルが説明し得ることが示された。(野本・西村・中村・佐藤文)。軟X線が1988年1月に見せたフレアーは、超新星ガスが、周囲のガス雲と衝突したというモデルによって時間変化もスペクトルも説明できる(政井・早川・野本)さらに超高エネルギーγ線の検出(木舟)をこの衝突によって宇宙線が加速させることによって説明する試みがなされた(早川・政井)。56Coの核ガンマ線の気球観測が試みられ、検出器の性能が評価された(釜江・西村・松岡)。こうして、超新星での元素合成理論がより確かなものとなった。一方、X線でのパルサー成分の推定(野本)と誕生したばかりの中性子星の進化が調べられた(中村・伊藤・佐藤勝)。1989年1月に発見が報告されたパルサーに周期が、0.5ミリ秒を短く、中性子星の状態方程式や質量に貴重な情報をもたらした(江里口・野本・佐藤勝・杉本)。ただし今後の確認が必要である。 硬X線の観測が示唆している重大なことに、物質の混合がある(野本・中村)。これを3次元の放射流体力学コードで完全に解こうとする試みが始まった(中村・野本)。 1987Aとなって爆発した星が、なぜ青色超巨星だったかの理論的解明が、星の進化の質量放出率や重元素量、物質混合に対する依存性の研究によって進んだ(斉尾・加藤・野本・宮路)。これは星周物質の位置、化学組成、量と比較された。また、ダストの形成の可能性が研究され(長谷川・野本)、特にガスの混合度によって、作られるダストの種類が異なることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Masai,;S.Hayakawa,;H.Inoue,;H.Itoh,;K.Nomoto.: Nature. 335. 804-806 (1988)
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[Publications] T.Kozasa,;H.Hasegawa,;K.Nomoto.: Astorophysical Journal. 343. (1989)
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[Publications] H.Saio,;M.Kato,;K.Nomoto.: Astorophysical Journal. 331. 388-393 (1988)
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[Publications] H.Saio,;K.Nomoto,;M.Kato.: Nature. 334. 508-510 (1988)
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[Publications] T.Shigeyama,;K.Nomoto,;M.Hashimoto.: Astronomy and Astorophysies. 196. 141-151 (1988)
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[Publications] H.Itoh,;K.Masai,;K.Nomoto.: Astorophysical Journal. 334. 279-294 (1988)