高温き裂伝ぱにおけるクリープ・疲労重畳効果の基本支配則に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63302024
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 大路 清嗣 大阪大学, 工学部, 教授 (20028939)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 久保 司郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (20107139) ; 横堀 寿光 東北大学, 工学部, 助教授 (00124636) ; 結城 良治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70114709) ; 大谷 隆一 京都大学, 工学部, 教授 (50025946) ; 岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
• Keywords: 破壊力学 / 高温強度 / クリープ・疲労 / き裂伝ぱ / 下限界 / 微小き裂 / 表面き裂

Research Abstract

高温におけるクリープ・疲労重畳下のき裂伝ぱに関する基本支配則を明らかにするため、種々の材料と条件の組み合わせに対する高温疲労き裂伝ぱ実験を実施するとともに、実験技術に関する検討を行った。得られた主な結果は以下の通りである。
1.SUS304鋼を用いて、高温き裂伝ぱにおける応力保持時間効果を調べた結果、保持時間効果は疲労にクリープが加算的に重畳される形で現れ保持時間の増加とともに疲労型よりクリープ型に遷移した。
2.SUS304鋼の巨視表面き裂の疲労およびクリープ・疲労き裂伝ぱ特性を調べた。表面き裂の繰返し数依存型および時間依存型き裂伝ぱ特性は、貫通き裂の両特性とよく一致した。
3.SUS304鋼を用いて高温の繰返し数依存型き裂伝ぱにおける下限界の性質を調べた。荷重変動による下限界の消失と消失後の回復過程、および下限界の消失に及ぼす荷重周波数と温度の影響を明らかにした。
4.SUS304鋼の平滑試験片の一方向引張りとクリープ・疲労における微小表面き裂の挙動を比較し、両者の相違を明らかにした。
5.一方向凝固により作成したA1-Li合金の高温微小疲労き裂の伝ぱ挙動を調べ、結晶学的因子の影響を明らかにした。
6.実機で長時間使用されたSUS316鋼の微小疲労き裂伝ぱ挙動を調べた。巨視き裂の下限界以下の領域でも、微小き裂は伝ぱした。
7.クリープ・疲労における微小き裂成長のモデルを提案し、計算機シミュレーションによりき裂の密度、長さ分布、伝ぱ速度を調べた。
8.レーザー干渉法を用いて微小変位を測定する手法を開発した。室温下で測定を行った結果、短い標点間の高精度変位測定が可能であり、き裂開閉口が十分の精度で検出できることがあきらかとなった。

Research Products

• [Publications] 大路清嗣: 日本機械学会講演概要集. (1989)
• [Publications] 岡崎正和: 第26回高温強度シンポジウム前刷. 133-137 (1988)
• [Publications] 岡崎正和: 日本材料学会第38期総会講演会前刷. (1989)
• [Publications] 大谷隆一: 第32回材料研究連合講演会前刷集. 215-220 (1988)
• [Publications] 大谷隆一: 材料.
• [Publications] 横堀寿光: 日本機械学会講演概要集. (1989)