1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63303001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶本 興亜 東京大学, 教養学部, 助教授 (30029483)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 禎一郎 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (50028156)
近藤 保 東京大学, 理学部, 教授 (10011610)
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
伊藤 道也 金沢大学, 薬学部, 教授 (30012610)
土屋 荘次 東京大学, 教養学部, 教授 (40012322)
|
Keywords | クラスター / ファンデルクルース錯体 / 超臨界流体 / 電荷移動錯体 / プロトン移動 / クラスターイオン / 溶媒効果 / 液相化学反応 / 異性化反応 / マトリックス |
Research Abstract |
本研究の最も大きな目的は、我が国で個々に進められている「分子レベルでの液相反応の研究」を更に発展させるために、協力研究や共同討議の場を作ることである。そのために本年度は2度にわたる研究会を開催した。第1回研究会(昭和63年7月)は、班員を中心とする小人数の研究会とし、各人の立場から「液相反応をミクロに見る」ために何が最も有効な手段であるか、また溶媒和分子が新らたな展望を与えるかどうかについて活発な討論が行なわれた。特に次の点で研究会は成功裏に終ったと考えている。 (1)各研究者の視野が広がったこと。即ち、独立に発展させられた研究手法が相互に補完的な意味を持つことが認識されるようになった。 (2)各研究者の研究の位置付けとこれからの方向性・問題点が討論の中で明確になってきたこと。例えば、クラスターを液相反応と結びつける際に何が問題になるかという点で液相研究者から貴重な指摘があった。 第2回研究会(平成元年1月)は規模を広げて、液相から気相にわたる広い層の研究者が集って討議を行った。分子動力学計算による液相中での分子の動きや構造と、クラスター構造の対比が行なわれ、次年度へ向けての問題点がかなり明確になった。 一方班員個々の成果としては、平岡らが多くのクラスターイオンの構造を決定し、三上らはクラスター内イオン反応が非常に効率良く起ることを示した。梶本らは超臨界流体中で電荷移動状態が密度の関数として効率良く生成することを示し、岡田らは光イオン化及び電荷移動状態生成に伴う溶媒の動きをフェムト秒の時間分解能で追うことに成功した。また土屋らは多くのクラスターの構造を分光学的に決定し、加藤らは電荷移動状態を生成する分子のクラスター構造を計算した。
|
Research Products
(18 results)
-
[Publications] O.Kajimoto.: J.Phys.Chem.92. 1347-1352 (1988)
-
[Publications] K.Honma.: J.Chem.Phys.88. 4739-4747 (1988)
-
[Publications] O.Kajimoto.: Faraday Discuss.Chem.Soc.85. (1989)
-
[Publications] H.Ito.: J.Mol Spectrosc.127. 143-155 (1988)
-
[Publications] Y.Ozaki.: Int.J.Mass Spectry.Ion Processes.
-
[Publications] T.Momose.: J.Chem.Phys.89. 4185-4192 (1988)
-
[Publications] I.Ohmine.: J.Chem.Phys. 89. (1988)
-
[Publications] N.Mikami.: J.Phys.Chem.92. 1858-1862 (1988)
-
[Publications] T.Maeyama.: J.Amer.Chem.Soc.110. (1989)
-
[Publications] K.Hiraoka.: J.Chem.Phys.89. 3190-3194 (1988)
-
[Publications] K.Hiraoka.: J.Phys.Chem.92. 3943-3952 (1988)
-
[Publications] M.Itoh.: J.Phys.Chem.88. 5693-5696 (1988)
-
[Publications] K.Nakatani.: Chem.Phys.121. 87-92 (1988)
-
[Publications] S.Hirayama.: Chem.Phys.Lett.(1988)
-
[Publications] N.Nishi.: J.Amer.Chem.Soc.110. 5246-5250 (1988)
-
[Publications] Y.Yoshimura.: Ber.Bunsenges.Phys.Chem.92. 46-60 (1988)
-
[Publications] Y.Yoshimura.: Ber.Bunsenges.Phys.Chem.92. 51-55 (1988)
-
[Publications] Y.Ozaki.: Chem.Phys.Lett.145. 461-465 (1988)