1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63303011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊沢 喜久雄 東京大学, 農学部, 教授 (00011825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊田 正二 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (70027184)
山本 幸男 名古屋大学, 農学部, 教授 (40022561)
大森 正之 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80013580)
有馬 泰紘 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90011973)
中川 弘毅 千葉大学。園芸学部, 助教授 (70009330)
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Keywords | 硝酸同化 / 硝酸還元酵素 / 亜硝酸還元酵素 / cDNAライブラリー / 硝酸イオン能動輸送 / イネ / らん藻 / ホウレンソウ |
Research Abstract |
今年度は以下の四つの主要課題について研究を行った。 1.硝酸還元酵素、亜硝酸還元酵素のcDNAライブラリーの作製。 ホーレンソウの培養細胞からλgt-11を用いてcDNAライブラリーを作製した。抗ホウレンソウ硝酸還元酵素抗体およびcDNAをプローブとして、最長1.8kbpの硝酸還元酵素cDNAクローンを単離した。このcDNAの部分塩基配列を決定したところ、シロイヌナズナにおける配列と高い相同性を示した(中川)。イネ幼植物からcDNAを作製した。ホウレンソウの亜硝酸還元酵素をプローブとして、イネ亜硝酸還元酵素のクローニングを行った(井田)。 2.硝酸還元酵素の精製と解析。 オオムギ幼植物根の硝酸還元酵素をブルーセファロースにより精製した。この酵素はNADPHを有効利用できる。酵素反応の結果、NADPH酸化量と等量の亜硝酸およびNADP^+が生成した(王子)。硝酸還元酵素の暗誘導機構について解析を行った(山本)。 3.硝酸イオン取り込み能欠失細胞の調整。 イネ3品種の種子に突然変異原処理を行い、M_2種子を得た。それらの種子から、塩素酸抵抗性、硝酸感受性個体を選抜した(長谷川)。らん藻のAnacystis nidulansR_2の細胞膜に存在する45KDたんぱく質が硝酸イオンの輸送に関与してることを明らかにした(小俣、大森)。 4.イネにおける硝酸イオン取り込み量、還元同化量、移行量の検討。 イネ幼植物の硝酸イオンの体内への吸上げ能は、培地のNO_3^-濃度、体内平均硝酸イオン濃度と単純な比例あるいは反比例関係にはないことを明らかにした(有馬)。イネ篩管中の硝酸イオン濃度は5-10mMであり、光照射により減少した。イネ篩管中の窒素は24時間以前より吸収されたものであることが明らかとなった(熊沢、林)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Bunzo Mikami,;Shoji Ida.: J.Biochem.105. 47-50 (1989)
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[Publications] Yoshihiro Kubo,;Nagao Ogura,;Hiroki Nakagawa.: J.Biol.Chem.263. 19684-19689 (1988)
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[Publications] 長谷川 博: 近畿作物・育種研究. 33. 80-84 (1988)
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[Publications] Y.Oji,;M.Takahashi,;Y.Nagai,;N.Wakiuchi.: Physiologia Plantarum. 72. 311-315 (1988)