1989 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者衣生活の実態調査と寝具の管理面における改善に関する研究
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63303014
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
阿部 幸子 青山学院女子短期大学, 家政学科, 教授 (80084226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 茂子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20060585)
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
岩崎 芳枝 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (40014659)
辻井 康子 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (50031654)
林 雅子 文化女子大学, 家政学部, 教授 (60017225)
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Keywords | 高齢者衣生活 / 衣生活実態調査 / 被服の管理 / 防炎加工 / 抗菌防臭加工 / 布団の丸洗い / 衣類乾燥機 / 稲藁製筏構造マットレス |
Research Abstract |
衣生活調査グル-プ8名は、昨年度と同様に高齢者約1000名(有効回答数833名の中、在宅68.5%、施設31.5%)を対象に、夏期の調査を行った。日常着は大部分が洋服型、男性20%はトレ-ニングウェア-、また中国地方ではねまきの着用者が多かった。下着類は冬期より短期間で着替えており、肌着は85%、下ばきは90%が2日以内に着替えて洗濯をしている。洗濯を自分でする人の割合は冬期と大差なく、在宅者の場合に、時々洗濯する人を含めて自分で洗濯する人は、男性の20%、女性の80%である。男性は、独居者の80%が自分で洗濯しているが、家族と一緒の場合はその割合がかなり少ない。ベッド使用者は在宅者の25%程度で、中国地方(広島)のみ約40%、いずれの地域でもベッドに敷布団を敷いている者が多い。布団のあげおろしの状況は、自分で洗濯をする者の割合と同様の傾向を示したが、高年齢者や健康状態が不良な人では、布団を敷いたままにしている比率が高い。前年度に行った冬期の調査結果と合わせ、高齢者衣生活、特に被服管理の実態を把握できた。 中西は衣類・寝具の安全性に関して、一時性、耐洗濯性各種防炎加工試料の防炎性能を検討し、無機能のものは耐洗濯性はないが、耐洗濯性のものより安全性の面で優れていることを明らかにした。上村はリハビリ病院入院中の高齢者が敷使用した抗菌防臭加工寝具と無加工寝具の付着菌数を調べ、抗菌加工の有用性を明らかにした。多田は昨年度の稲藁製筏構造マットレスによる就寝中の水分放散挙動についての実験結果をさらに詳細に解析し、畳やマットレスを湿潤させない優れた寝具であるとの結論を得た。また西出は負担の丸洗いによる洗浄効果を溶剤抽出成分の分析により調べ、油汚れはある程度落ちるが、綿の油分は変化しないことを見出した。片山は高齢者の家事作業軽減を目指して家庭用大容量型衣類乾燥機を改良した試作品を作り、その乾燥特性を検討した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中西茂子: "わたの燃焼挙動に関する研究(第1報)" 日本家政学会誌.
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[Publications] 中西茂子: "わたの燃焼挙動に関する研究(第2報)" 日本家政学会誌.
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[Publications] 多田千代・高野成子・平田耕造・永坂鉄夫: "寝床内温度・湿度・水蒸気圧の経時変化-人工気象室における観察-" 民族衛生.
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[Publications] 多田千代・高野成子・永坂鉄夫: "低温・多湿環境下における筏構造敷寝具の温度・相対湿度・水蒸気圧" 金沢大学日本海域研究所報告. 21. 99-118 (1989)