1989 Fiscal Year Annual Research Report
アルボウイルスによる家蓄異常産の発生機序および原因ウイルスの生態に関する研究
Project/Area Number |
63304027
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Research Institution | Faculty of Veterinary Medicine, Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 信夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60082103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 康男 農林水産省家畜衛生試験場九州支場, 室長
中野 克重 北里大学, 獣医蓄産学部, 助教授 (30050488)
高島 郁夫 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (30002083)
大島 寛一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003733)
後藤 仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003072)
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Keywords | アルボウイルス / 家畜異常産 / ウィルス性異常産 / アルボウイルス性家畜異常産 / アルボウイルスの生態学 / ウィルス性奇形の発現機序 / 家畜異常産の発生機序 / 節足動物媒介性ウィルス |
Research Abstract |
わが国で流行している日本脳炎ウィルス(JEV)、ゲタウイルス(GTV)アカバネウィルス(AKV),チュザンウィルス(CZV)と牛ウィルス性下痢・粘膜病ウィルス(BVD-MDV)による家畜異常産の発生機序についてウィルス学的、病理学的ならびに疫学的解析を行った。さらに流行地において媒介節足動物からのウィルス分離を実施し、異常産原因ウィルスの生態学的特徴を明らかにした。 1.北海道、東北、九州の家畜につ今てJEV,GTVとAKV感染症の血清疫学的調査を行って各ウィルスの感染時期と異常産発生時期を解析するとともに流行予測資料の作製を試みた(橋本、後藤、大島、三浦)。 2.抗JE単クロ-ニ性抗体を用いたJEVの抗原性の比較では北海道株が本州株から区別され、北海道では土着ウィルスによる流行の発生が示唆された。また耐寒性ヤブカ類がJEVに高い感受性を有し、経卵巣感染の成立が立証された(高島)。 3.東北地方で発生したAKVによる牛異常産を病理学的に検索し、胎児の感染時期と水無脳症ならびに関節湾曲症の発生との関係を解明した(大島)。また妊娠ハムスタ-にAKVを接種したところ強毒株よりも弱毒株で持続感染と奇形が発現しやすいことが判明し、実験的にウィルス感染による奇形発現機序の解析が可能となった(中野)。 4.北海道と東北で牛におけるBVD-MDVの浸淫状況と個体毎の持続感染状況をウィルス学的に検討するとともに病理学的に胎児感染による先天異常の発現機序を解析した(清水、大島)。 5.九州の牛異常産流行地において牛舎のヌカカ類を株集して分類し、ウィルス分離を実施したところ、Culicoides oxystomaからAKV,CZVとアイノウィルスの分離に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takashima,I.,Hashimoto,N.,Watanabe,T.and Rosen,L.: "Mosquito collection in endemic areas of Japanese encephalitis in Hokkaido,Japan" Jpn.J.Vet.Sci.51. 947-953 (1989)
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[Publications] Takashima,I.and Rosen,L.: "Horizontal and vertical transmission of Japanese encephalitis virus by Aedes japonicus(Diptera:culicidae)" J.Med.Entomol.26. 454-458 (1989)
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[Publications] Sugiura,Y.,Ohta,C.and Goto,H.: "A dot-immunobinding assay for the detection of antibody to Getah virus in horses" Australian Vet.J.66. 340-341 (1989)
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[Publications] 大島寛一、岡田幸助、沼宮内茂、清宮幸男、吉田欣哉、伊藤博: "ウシのアカバネ病に関する病理学的研究-1985年86年岩手県発生例を中心として-" 成長(J.of Growth). 26. 113-128 (1987)
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[Publications] Kurogi,H.,Akiba,K.,Inaba,Y.and Matsumoto,M: "Isolation of Akabane virus from the biting madge Culicoides oxystoma in Japan" Veterinary Microbiology. 15. 243-248 (1987)
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[Publications] Shimizu,M.,Satou,K.,Nishioka,N.,yoshio,t.Momotani,E.and Ishikawa,Y.: "Serological Characterization of Viruses isolated from experimental mucosal disease" Veterinary Microbiology. 19. 13-21 (1989)