1988 Fiscal Year Annual Research Report
体温調節機構の細胞過程から個体反応に至る統合的研究
Project/Area Number |
63304033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 昭雄 大阪大学, 医学部, 教授 (80022763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 悳 山口大学, 医学部, 教授 (90040518)
堀 哲郎 佐賀医科大学, 教授 (00022814)
入来 正躬 山梨医科大学, 教授 (90072967)
森本 武利 京都府立医科大学, 教授 (30079694)
黒島 晨汎 旭川医科大学, 教授 (90002774)
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Keywords | 体温調節 / 寒冷馴化 / 発熱 / 温度感受性ニューロン / 運動 / 視束前野・前視床下部 / 発汗 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を得た。 1.間欠的寒冷暴露の反復は1/4の期間で 持続的寒冷暴露と同程度の寒冷馴化能を,より少ないエネルギー消費とストレス負荷の下で発現させる。その発現には共通の神経・内分泌機構が関係している。(黒島) 2.AVAの存在する手掌、指、足蹠では局所皮膚温が39-41℃で血管収縮がおこる。この収縮には交感神経が関与している。(永坂) 3.鼓膜温はかなりの程度脳温を反映し、体温調節反応との関連は食道温より深い。脳温の左右差は発汗下行路に影響する。(小川) 4.暑熱負荷は無酸素性作業閾値に相当する作業負荷量と酸素摂取量を減少させ、持久的運動能力を低下させる。(堀清記) 5.温度依存性のプロラクチン分泌調節機構の存在、そしてプロラクチンが体温調節に関与する可能性が示唆された。(小坂) 6.インピーダンス法により心拍出量を測定したところ、rebreathing法との結果と良好な一致をみた。(土居) 7.高温負荷時には血管拡張により血液が末梢にプールされ、中心静脈圧が一定以下に低下すると末梢血管抵抗が増加し、それ以上の血管拡張を抑えること、すなわち末梢血管抵抗は中心静脈圧からのフィードバックを受けることが示唆された。(森本) 8.温熱性唾液分泌の遠心性信号はPOAHから同側性に唾液腺に達している。一方左右皮膚からの温度情報は統合された後、唾液分泌の系に伝えられる。(中山) 9.POAH温ニューロンは中-高温領域でQ10の高い電位依存性Naチャネルを有した特殊な細胞である。網様体脊髄路ニューロンは冷信号の収束を受けており、震えの発現に主要な役割をはたしている。(堀哲郎) 10.視床下部の前部特にnucleus broca ventralisとPOAHでEPやIL-1によく反応して発熱や急性相反応の出現する部位がある。(村上) 11.IL-1投与時(i.v.)の発熱には血液脳関門の血液側と脳側、両側のPG合成経路が関係している可能性が示唆された。(入来)
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Tanaka H.;Yanase M.;Kanosue K.;Nakayama T.: Am.J.Physiol.,being submitted.(1989)
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[Publications] Tanaka H.;Kanosue K.;Yanase M.;Nakayama T.: Am.J.Physiol.,being submitted.(1989)
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[Publications] Yahata,T.;Kuroshima,A.: Being submitted.
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[Publications] Hirata,K.et al.: Eur.J.Appl.Physiol.57. 616-621 (1988)
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[Publications] Hirata,K.,et al.: Eur.J.Appl.Physiol.57. 92-96 (1988)
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[Publications] Nagasaka,T.,et al.: J.Appl.Physiol.Being submitted.
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[Publications] Hori,T.;Nakashima,T.;Koga,H.;Kiyohara,T.;Inoue,T.: Brain Res.Bull.20. 879-885 (1988)
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[Publications] Asami,A.;Asami,T.;Hori,T.,et al.: Brain Res.Bull.20. 387-398 (1988)
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[Publications] Asami,T.;Hori,T.,et al.: Brain Res.Bull.20. 581-596 (1988)
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[Publications] Hashimoto,M.;Bando,T.;Iriki,M.;Hashimoto,K.: Am.J.Physiol.255. R527-R533 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.;Murakami,N.;Watanabe,T.: J.Physiol.397. 281-289 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.;Murakami,N.;Nakamori,T.;Watanabe,T.: J.Physiol.397. 269-280 (1988)