1988 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中登録による血管性痴呆の予防に関する総合的研究
Project/Area Number |
63304039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 喜代太郎 北海道大学, 医学部, 教授 (80018366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一夫 秋田県立脳血管研究センター, 部長
永井 正規 自治医科大学, 助教授 (90124403)
東儀 英夫 岩手医科大学, 教授 (90155490)
杉村 巌 旭川厚生病院, 副院長
田代 邦雄 北海道大学, 医学部付属病院, 教授 (90002154)
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Keywords | 血管性痴呆 / 予防 / 脳卒中登録 / 疫学 / 地域保健 / コホート研究 / 画像診断 |
Research Abstract |
I.研究の目的.地域における脳卒中対策、特に登録の枠組みのなかで、発作再発を管理することで、痴呆を呈するような病態への移行を予防し、血管性痴呆の発生率を減じ、またはその重篤化を阻止する。 II.材料と方法.血管性痴呆には、多くの類型があるが、一般に中〜細小動脈の閉塞性機転の反復で成立する。そこで、初回の発作で患者を登録し、つよく管理を加えて再発発作を予防し、ひいては痴呆にいたる経過を阻止、または軽症化できる可能性がある。しかし実効を挙げるには、少なくともつぎの諸点が必要である。1)地域における脳卒中の登録システムの整備、2)閉塞性機転が再発する危険要因の把握、3)地域の主治医の診療におけるこれらの知見の活用。従来、我が国では、1)〜2)について相当の知見がつまれているが、本研究ではその延長の上に痴呆対策の充実をはかる。主な課題は(カッコ内は分担研究者)、1)脳卒中、特に脳硬塞の自然史、フィールドにおける診断など、臨床的問題(田代、東儀・山之内)、2)脳硬塞再発の危険要因の分析、痴呆化の要因の分析、ケース・スタディ、分析疫学、特に老年期から日常生活(精神生活をふくむ)との関係(杉村・近藤・鈴木・磯村・田中・嶋岡)、3)地域における脳卒中患者、痴呆者・寝たきり者の社会学的問題(杉村・鈴木・永井)、4)全国における脳卒中登録の実情、改善すべき点、再発管理に関する問題点と実情の把握(永井)、5)被登録患者におきた2次発作の検出方法と早期治療およびその効果判定(磯村・田中)、7)呆けないための生活指導とセルフ・ケア(全員)などがある。二つのなかで中核となるのは脳卒中研究のために既に設置、維持されている地域コホートの活用であり、そこで得られた知見を行政レベルの登録に実地に応用していく。 III.研究の結果.対象疾患の診断基準を設け、各分担研究に着手した。
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