1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 喜代太郎 北海道大学, 医学部, 教授 (80018366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研, 教授 (70047215)
永井 政志 自治医科大学, 助教授 (90124403)
鈴木 一夫 秋田県立脳血管研究センター, 部長
東儀 英夫 岩手医科大学, 教授 (90155490)
田代 邦雄 北海道大学, 医学部附属病院, 教授 (90002154)
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Keywords | 血管性痴呆 / 脳卒中登録予防 / 疫学 / 地域医療ケア / コホ-ト研究 / 画像診断 |
Research Abstract |
昨年度につづいて、各分担研究を推進した。なお、伊藤政志班員は由利組合総合病院副院長からの退職のため、班員を辞退されたが、後任は補充しなかった。以下、血管性痴呆をVDと省略して、分担研究の要点を述べる。 杉村班員は北海道鷹栖町の60才以上の町民に「老研式」の知能スケ-ルを適用し、血清蛋白、コレステロ-ル、Hb、カルシュウムなどの健診のデ-タバンクと対比させた。 田代班員はLeuco-araiosisなど大脳白質病変を検討し、多発性硬化症の痴呆には脳梁病変をみるのに対し、VDではその特性がないことを示した。 東儀班員はVDとアルツハイマ-病の鑑別に用いられるハチンスキ-・スケ-ルを改良した。 鈴木班員は秋田県の65才以上の県民180,806人の全数調査で痴呆をふくむADL異常者を検出した。痴呆性老人は5.3%であった。 永井班員は栃木県O市(人口5万人)の70才以上の全住民の調査で「寝たきり」を141人検出し、寝たきり者の33%が痴呆をもつことを示した。 磯村班員は長野県佐久地方の脳卒中登録に基づいてVDを調べ、その増加を認め、脳卒中の再発予防、発作後の精神的機能訓練、医療・福祉の一元化などの問題を分析した。 田中班員は新潟県新発田市でVDのモニタ-制度を作った。 山之内班員はビンスワンガ-病における随時血圧の乱変動の問題を分析した。嶋岡班員は長崎の被曝集団で痴呆をモニタ-した。 近藤班長はVDとアルツハイマ-病の危険要因を同一方法で調べ、病前15〜20年の精神的不活発が共通することを認めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 近藤喜代太郎: "痴呆の危険要因:とくにアルツハイマ-病について" Modern Physical. 9. 993-996 (1989)
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[Publications] 近藤喜代太郎: "どんな人がアルツハイマ-病になるか?" からだの科学. 通巻149. 43-47 (1989)
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[Publications] 近藤喜代太郎: "老年期痴呆の危険要因と予防-将来の展望-" Medical Practice. 6-3. 55-63 (1989)
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[Publications] 近藤喜代太郎: "神経疾患の疫学Alzheimer病" CLINICAL NEUROSCINECE. 7-5. 10-11 (1989)
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[Publications] 近藤喜代太郎: "遺伝学からみたAlzheimer病" 老年期痴呆. 4-1. 67-74 (1990)