1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304043
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 睦正 熊本大学, 医学部, 教授 (10038680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯尾 正宏 東京大学, 医学部, 教授 (80143486)
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
高島 力 金沢大学, 医学部, 教授 (70019545)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
入江 五郎 北海道大学, 医学部, 教授 (30001788)
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Keywords | スペクトロスコピー / P-31スペクトロスコピー / MRスペクトロスコピー / 組織代謝 / 早期診断 / 治療効果 |
Research Abstract |
本年度は各班員がスペクトロスコピーのデータ採集に必要な技術を習得し、技術的、読影上の問題などを検討し、研究に着手する準備段階であった。本年度はP-31スペクトロスコピーによって各疾患での組織代謝を検討し、MRSの臨床的意義を検討した。 1.MRSのデータ採集、データ処理の精度、再現性の向上を目指し、FROG法、DRESS法、ISIS法によって局所関心領域設定を行うことが可能であった。 2.FROGS法による検出深度の検討では、深度5cmより6cmで急速にシグナル検出能は低下する傾向にあった。この問題を解決するためにプレサッチュレイション法が有効であった。 3.骨格筋のP-31スペクトロスコピーでは、糖尿病患者やスポーツ選手では運動後に低下したクレアチンリン酸、およびATPの回復が遅延した。 4.ヒト腫瘍が治療に反応した場合、P-31MRSではPDE/ATP比PME/ATP比が減少した場合、早期に減少する傾向がみられた。PI/ATPの比は放射線治療有効例で減少がみられたが、無効例では減少はみられなかった。PCr/ATPの比は、無効例で減少傾向がみられた。以上のように種々のP-31成分と治療効果との関連が考えられた。 5.急性期虚血性脳血管障害の観測においてはPCr/Pi比、PCr/PDE比の低下を認め、細胞障害をP-31スペクトロスコピーによって抽出できることがわかった。 6.プロトンケミカルシフト画像によって大動脈の外膜、中膜、内膜三層の解剖学的構造を検討したが、内膜側からの信号は認められず、外膜に接した脂肪からの信号が主体になっていた。
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