1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304043
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 睦正 熊本大学, 医学部, 教授 (10038680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯尾 正宏 東京大学, 医学部, 教授 (80143486)
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
高島 力 金沢大学, 医学部, 教授 (70019545)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
入江 五朗 北海道大学, 医学部, 教授 (30001788)
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Keywords | MRスペクトロスコピ- / 核磁気共鳴 / 放射線治療の先行指標 / 放射線治療の適応 / PTAの評価 |
Research Abstract |
平成元年度は研究班が発足して第2年度にあたり、初年度の動物実験、正常例におけるデ-タをもとに異常症例を集積し、各種疾患及び治療法後の変化をスペクトロスコピ-(MRS)によって検討することを主な目的とした。腫瘍の治療効果判定にP31-MRSを用いたが、動物実験及び人体における表在性腫瘍における検討で、Pi/BNTP,PME/BNTPなどのPi,PMEを分子に持つピ-ク面積比の経時的変化を放射線治療の先行指標とすることが可能であった。頭蓋内疾患におけるMRSにおいては脳腫瘍の信号は対称側に比べて明らかに低信号であり、相対的にDMEのピ-クが高いことが示された。髄膜炎後の硬膜下血腫の症例でもPCr/Piの低下、PME/BNTPの上昇、pHのアルカロ-シス化などがみられ、血腫除去によって正常値に復することがわかった。さらに梗塞において細胞内アルカロ-シスが認められ、臨床経過が好転するにつれて酸性側に傾いていくことが示された。表在性腫瘍のMRSでもPME,PDEに上昇が認められ、PCrはやや減少傾向、pHはアルカリ側にシフトした。放射線治療に伴ってPiの著名な減少、PME及びPDEの明らかな減少が観察された。P31-MRSによって四肢の血管拡張術の非侵襲的な治療効果判定が可能なことも分かり、術前の治療適応決定にも有用性が高い。 この他、F19-MRSを動物実験、人体に実施し、糖代謝、アミノ酸代謝、脂肪酸代謝などのモニタ-に使用し得ることが推察され、C13を用いれば主体グルコ-ス代謝の評価も可能であり、今後、適応を検討したい。この他に大腿骨頭壊死、耳下腺癌のH1及びC13MRSも行い、有用性を検討した。 MRスペクトロスコピ-は急速に臨床に用いられつつあるが、今後さらに多くの情報を得て本法の臨床適応、有用性を検討していく必要がある。
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[Publications] 高橋睦正、森下昭治: "神経疾患のMRスペクトロスコピ-" Clinical Neuroscience. 7. 1252 (1989)
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[Publications] 森下昭正、西村龍一、坂本祐二、角美奈子、高橋睦正: "軟部組織のP-31スペクトロスコピ-" 臨床画像. 6. (1990)
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[Publications] S.Morishita,M.Takahashi,R.Nishimura,M.Sumi,Y.Sakamoto,H.Bussaka: "The value of P-31 spectroscopy for PTA of the iliofemoral arteries." Radiology. (1990)