1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 鎭雄 大阪大学, 歯学部, 教授 (60029973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 定宏 朝日大学, 歯学部, 教授 (40076005)
赤坂 守人 日本大学, 歯学部, 教授 (30059505)
檜垣 旺夫 神奈川歯科大学, 教授 (20084741)
神山 紀久男 東北大学, 歯学部, 教授 (20013881)
中田 稔 九州大学, 歯学部, 教授 (40014013)
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Keywords | 歯牙硬組織 / 形成異常 / 疫学的調査 / トレースエレメント / 結晶性 / HVDRR |
Research Abstract |
本研究は,歯牙硬組織の発育異常の程度と発現状態を複数の研究機関が同一の方法とテクニックでもって,しかも全国的規模でもって疫学的に調査することと,各研究機関がそれぞれの特徴のある方策でもって歯牙硬組織の発育と異常について基礎的に研究することとから成り立っている。したがって本年度では,疫学的調査の成功に必須である調査方法とテクニックの均一に複数回の会合を重ね、また診断者のトレーニングと診断法の確立を行った。また今日の日本社会では困難さを増してきた疫学的調査に協力の得られるフィールドの確保に努力した。 その結果、各研究機関の間で微妙な診断の差を示す、エナメル質の白班、変色、軽度な減形式などについても意見の一致をみることが可能となった。また得られる情報が多数に及ぶために、その集計システムの充実が重要である。歯種別にみた、歯冠の大きさ、エナメル質および象牙質の形成異常の種類と程度、歯牙の有無、色調などを集計することの可能なシステムを確立した。さらに各研究機関は、協力の得られるフィールドを獲得した。そして一部のフィールドでは、実際に調査が実施され、集計作業も終了している。 一方基礎的研究においては、以下のような進展状況となっている。発育障害の地域特性については、形成期の全身的健康状態との関連性をアンケート調査し、エナメル質の軽度な形成不全歯の生化学的分析には必要な歯牙の収集を、フッ素による発育障害歯のエナメル質の結晶性については、X線回析法を用いて、エナメル質象牙質形成不全歯を対象に主として光学顕微鏡を用いて検索した。さらにHVDRRマウスにおける歯牙形成異常については、この動物実験系において人に認められるHVDRRとほぼ同一の病理像を示すことが認められ、この実験系の有用性が確認された。
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