1988 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜構築機構におけるリピドソーティングの生物学的役割
Project/Area Number |
63304059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 昭彦 東京大学, 教養学部, 助教授 (80013332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 哲 群馬大学, 医学部, 教授 (50025623)
渋谷 勲 埼玉大学, 理学部, 教授 (60013306)
赤松 穣 国立予防衛生研究所, 化学部, 部長 (00072900)
安楽 泰宏 東京大学, 理学部, 教授 (20012643)
村田 紀夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (90011569)
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Keywords | リピドソーティング / 膜構築 / リン脂質 / 不飽和化酵素 / 脂肪酸結合タンパク / 脂質転移タンパク |
Research Abstract |
昭和63年10月5日に班会議を行い意見交換を行った。各分担者の研究実績は次の通りである。(1)クロレラを用いて通気条件変化に伴う脂肪酸不飽和化を研究した。2%CO_2から0.04%CO_2にシフトすると、不飽和化酵素の合成が誘導されることが示唆された(川口)。(2)ラン藻を用いて生育温度変化に伴う脂肪酸不飽和化を研究した。38℃から22℃にシフトすると不飽和化酵素が誘導合成されることが示唆された(村田)。(3)酵母液胞膜のα-マンノシダーゼ構造遺伝子をクローニングし、その全DNA塩基配列を決定した。タンパクの液胞膜への局在化機構を解明した(安楽)。(4)不完全酵母ペルオキシソームのリン脂質組成をミトコンドリアのそれと比較し、PCとPIが比較的多いことが明らかになった(上領)。(5)PS代謝に重要な役割を担っていると思われる遺伝子(pssc)の単離に成功し、この遺伝子がPSの細胞内輸送に関与している可能性が示唆された(赤松)。(6)PS脱炭酸酵素について、その核遺伝子支配、ミトコンドリア局在を明らかにし、変異株を取得して遺伝学的、生化学的解析を行った(渋谷)。(7)コリンキナーゼ遺伝子のクローニングを行い、コリンキナーゼとエタノールアミンキナーゼは同一遺伝子にコードされていることを証明した(山下)。(8)ras発現とガングリオシド変化の相関を調べ、ガングリオシド変化がras遺伝子産物p21の出現と一致していることを解明した(永井)。(9)モルモットハーダー腺のアシル転移酵素は基質特異性の異なる数種類のアイソザイムが存在することを解明した(脊山)。(10)B型肝炎ウイルス粒子の膜脂質はPCが90%を占めており、宿主で合成されたPCが選択的に取り込まれることが明らかになった(井上)。(11)脂肪酸結合タンパクは肝細胞では細胞質に局在し、脂肪酸代謝変動に応じて局在が変化した(小野)。(12)ヒマ芽生えの脂質転移タンパク質は数種類のイソ型があり、胚乳子葉および胚軸で組織特異的に遺伝子発現する(山田)。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Tsuzuki,M.,et al.: Plant Physiol.(1989)
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[Publications] Wada,H.;Murata,N.: Plant Physiol.to be submitted.
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[Publications] Yoshihisa,T.,et al.: J.Biol.Chem.263. 5158-5163 (1988)
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[Publications] 吉久徹他: 生化学. 60. 882 (1988)
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[Publications] Kamiryo,T.,et al.: Yeast. 4. 277 (1988)
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[Publications] Kamiryo,T.,et al.: Agric.Biol.Chem.53. 179-186 (1989)
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[Publications] 上領達之 他: 酵母のバイオテクノロジー. 83-92 (1988)
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[Publications] Kuge,O.,et al.: in perparation.
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[Publications] Nishijima,S.,et al.: J.Bacteriol.170. 775-780 (1988)
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[Publications] Hikiji,T.,et al.: J.Biochem.104. 894-900 (1988)
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[Publications] Nikawa,J.,et al.: J.Bacteriol.170. 4727-4731 (1988)
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[Publications] Hosaka,K.,et al.: J.Biol.Chem.264. 2053-2059 (1989)
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[Publications] Yasugi,E.,et al.: J.Biochem.103. 889-893 (1988)
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[Publications] Suzuki,T.,et al.: J.Histochem.Sytochem.26. 349-357 (1988)
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[Publications] Suzuki,T.;Ono,T.: Acta Pathol.Jpn.38. 979-987 (1988)
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[Publications] Iseki,S.,et al.: Histochem.89. 317-322 (1988)
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[Publications] Takishima,K.,et al.: Eur.J.Biochem.177. 241-249 (1988)
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[Publications] 山田晃弘: 化学と生物. 26. 470-476 (1988)