1988 Fiscal Year Annual Research Report
高度技術化社会におけるメンタルヘルスの維持と増進に関する総合的研究
Project/Area Number |
63305003
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
内山 喜久雄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (20015423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 忠義 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教授 (20113293)
末松 弘行 東京大学, 医学部, 教授 (10038739)
飯田 真 新潟大学, 医学部, 教授 (20086937)
中川 哲也 九州大学, 医学部, 教授 (60038635)
上里 一郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034559)
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Keywords | メンタルヘルス / テクノストレス / ライフサイクル / 精神障害 |
Research Abstract |
本研究の遂行に当ってはとくに、心理学、心身医学、精神医学、看護学、社会学、社会福祉学、等の関連諸分野の研究者による共同研究を主眼とし、心身両面からの学際的アプローチの実施により、高度技術化社会におけるメンタルヘルス問題の解明を目指して、下記2件を実施し、所期の成果を収めた。 1.メンタルヘルス研究分科会 医学分科会においては、「治療よりも予防」という観点からのメンタルヘルス・アセスメントおよびメンタルヘルス調査法の検討ならびに病態・病像の地域的・時代的差異とメンタルヘルスとの関連の解明が試みられた。また、心理学・社会学・社会福祉学・看護学分科会においては、メンタルヘルスの維持・増進の方法とメカニズムの解明を学際的に検討し、また、関連する1調査を実施した。 2.メンタルヘルス研究セミナー 平成元年1月6ー8日の3日間、京都において実施した。各発表主題は、「職場のメンタルヘルス」、「テクノストレス」、「ライフサイクルからの心身障害」、「中年期の精神障害」、「分裂病患者と家族のありかた」で、このほか、特別参加者による発表、「ストレスと脳」(田中正敏、久留米大学医学部)、「メンタルヘルスについて」(河合隼雄、京都大学教育学部)の2題を含めて、参加者全員による研究討議が行われた。また、研究分科会による調査結果として、とくに、リラクセーション、生活管理等の自己コントロール法の有用性が共通項として強く支持された。全般的に、メンタルヘルス維持・増進への心理・生理学的、行動論的ないし、人間学的見地からの統合的対応の意義と必要性が強調されたほか、今後の方向として、組織的、環境学的アプローチの重要性が示唆された。
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