1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63307001
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
閑 春夫 群馬大学, 工学部, 教授 (40008454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小尾 欣一 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016090)
吉原 経太郎 分子科学研究所, 教授 (40087507)
岡田 正 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029442)
川崎 昌博 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (70110723)
西 信之 分子科学研究所, 助教授 (60013538)
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Keywords | レーザー光分解 / 蛍光 / 光化学反応 / 励起状態 / 溶媒効果 / プロトン移動 / 電子移動 / 電荷移動 / エキシプレックス / 吸着 / 光異性化 / イオン対 / 消光 / 水素結合 / ピコ秒分光法 / ナノ秒時間分割分光法 |
Research Abstract |
(1)極限分子小集団の光反応 紫外波長可変色素レーザーを用いて超音速ジェット中のベンゼンクラスターの2光子共鳴イオン化法により検討した。低い励起状態ではイオンクラスターが効率よく分解するが、電荷移動型の電子配置を持つ高い状態に励起すると、クラスターの分解は少なく、この状態で大きく平衡配置を変えて安定な構造をとることが明らかとなった。一方、クラスター中におけるシスートランス反応はクラスターの種類・背景圧力などによって極めて大きく変化することを見出した。動力学的解析によって1ピコ秒ー100ナノ秒範囲の異性化反応、分子会合、励起状態などの究明が可能となる。 (2)極限凝集系の光反応 化学反応中間体として重要な接触及び分離イオン対についてはじめて帰属することに成功した。77K剛性溶媒中またはポリエチレンフィルム中において、基底状態で分子間水素結合体をつくっておき、光励起によってプロトン移動を起こさせてイオン対を生成させるという手法を用い、時間分割分光法により解析した。 (3)極限界面の光反応 シリコン面上のトリメチルガリウム分子の吸着状態での光反応を検討した。この分子は77Kにおいて結晶上に均一な二次元層の成長した物理吸着膜を形成するが、120Kでは化学吸着に変化する。これらの吸着層は、266nmレーザー光により特異的に光分解をおこす。 (4)極限時間分割光反応 極性溶媒中の分子内エキシプレックスの動的挙動をピコ秒レーザー分光法により研究した。光誘起電子移動は2つの発色団が互いに離れた構造でおこり、その後、構造が変化して安定なコンパクトな状態になることを見出した。 (5)研究会開催 本研究課題について研究会を開催し、研究発表と討論を行い、極限分子環境における光反応を本質的課題として討論した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.K.Mishra;H.Shizuka: Chem.Phys.Letters. 151. 379-383 (1988)
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[Publications] M.Shinohara;N.Nishi: Chem.Phys.129. 149-162 (1989)
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[Publications] H.Suzuki;K.Mori;M.Kawasaki;H.Sato: J.Appl.Phys.150. 425-456 (1988)
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[Publications] K.Nakatani;T.Okada;N.Mataga;F.C.de Schryver: Chem.Phys.121. 87-92 (1988)
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[Publications] H.Petek;Y.Fujiwara;D.Kim;K.Yoshihara: J.Am.Chem.Soc.110. 6269-6270 (1988)
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[Publications] K.Shibuya;M.Nemoto;A.Yamagibori;M.Fukushima;K.Obi: Chem.Phys.Letters.121. 237-244 (1988)
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[Publications] M.Hoshino;H.Shizuka: "Photoinduced Electron Transfer Part C" Elsevier(Amsterdam), 313-371 (1988)