1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63307007
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 弘通 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (10011024)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 信輔 九州大学, 工学部, 教授 (80037738)
平野 敏右 東京大学, 工学部, 教授 (70007615)
伊藤 献一 北海道大学, 工学部, 教授 (80001163)
乾 智行 京都大学, 工学部, 教授 (60025989)
御園生 誠 東京大学, 工学部, 教授 (20011059)
|
Keywords | 触媒燃焼 / 高効率燃焼 / 無公害燃焼 / 燃焼制御 / 超高温 / 耐熱性触媒 / 酸化物触媒 / 貴金属触媒 |
Research Abstract |
本研究は触媒燃焼による超高効率、無公害燃焼法を確立するため、触媒化学、燃焼工学、熱化学、材料化学などの広領域にわたる研究者によって、緊密なる情報交換と討論を重ねるとともに強力な研究体制を築くことを目的として行った。特に触媒燃焼法の実現化に向けて解決すべき重要課題である耐熱性触媒の開発、触媒表面や気相の燃焼機構の解明について格段の進歩が達せられた。高温燃焼触媒は1000℃以上の超高温下での使用に耐える耐熱性が要求されるため、材料の設計および調製法が重要となる。ヘキアルミネートやペロブスカイトなどの新しい酸化物燃焼触媒を開発し、耐熱性の評価や形態、触媒構造の検討を行なった。また貴金属触媒について担体の選択により熱安定性の改善を試みた結果、高性能な耐熱性触媒が得られるに至った。触媒活性成分以外にも担体の熱的および機械的性質に着目し、高耐熱衝撃性担体を設計する上で重要な因子を明らかにした。触媒燃焼の効率を高める上で重要な知見となる反応機構については実験、理論の両側面から詳細な検討を行なった。燃焼活性は触媒の酸化還元挙動に基づく電子的作用と形態的な効果があり、各々の効果を高めるべく表面とバルクの制御を行う必要性がある。高温燃焼法に強い影響を及ぼす境膜拡散過程や気相反応については実験結果とコンピュータ解析によりその寄与度を見積ることが可能となった。さらに触媒燃焼の始動特性を評価し、安定かつ高効率の燃焼維持に必要なパラメータや特異な燃焼挙動の解析を行なった。これら触媒燃焼の制御に関する知見は高温において排出される窒素酸化物の制御においても極めて有益である。以上のような触媒燃焼の材料や反応機構に関する研究結果は燃焼触媒材料の開発に極めて重要な知見である。また、本研究で確立された研究体制は学際的性格の強い触媒燃焼の研究を推進する上で極めて有益であり、今後の研究の進展に大きく寄与すると期待される。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Masato Machida;Koichi Eguchi;Hiromichi Arai: Journal of American Ceramic Society. 71. 1142-1147 (1989)
-
[Publications] Masato Machida;Koichi Eguchi;Hiromichi Arai: Chemistry Letters. 1989. 1461-1464 (1989)
-
[Publications] 町田正人,川崎秀夫,江口浩一,荒井弘通: 日本化学会誌. 1988. 2010-2015 (1988)
-
[Publications] Taihei Nitadori;Tatsumi Ichiki;Makoto Misono: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 61. 621-626 (1988)
-
[Publications] Taihei Nitadori;Motohiko Muramatsu;Makoto Misono: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 61. 3831-3837 (1988)
-
[Publications] 張華民,寺岡靖剛,山添昇: 日本化学会誌. 1988. 272-277 (1988)
-
[Publications] 荒井弘通、江口浩一、町田正人: "ファインケミカルレビュー'89" シーエムシー, 245-250 (1989)
-
[Publications] 荒井弘通、江口浩一、町田正人: "先端科学技術開発年鑑" 技術出版,