1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63308006
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 元紀 東京工業大学, 理学部, 教授 (20012411)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長浜 嘉孝 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所, 教授 (50113428)
高橋 正征 東京大学, 理学部, 助教授 (50111357)
黒田 英世 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50064845)
佐藤 矩行 京都大学, 理学部, 助教授 (30025481)
森沢 正昭 東京大学, 理学部附属臨海実験所, 教授 (40013594)
|
Keywords | 海洋生物科学 / 海洋分子生物学 / 海洋生態学 / 深海生物学 / 研究組織 / 研究支援体制 |
Research Abstract |
本研究班は、海洋生物科学の基礎研究を本邦において推進する上での問題点を明らかにするとともに、その解決法を模索することを目指して組織されたものである。班会議、およびその前後に行なった2度(延べ3日)の打ち合せ会を中心に、一部は班員外の協力をも仰ぎ、種々調査検討し、概略次のような結論に到達した。 1.本邦は自他ともに認める水産国として、海洋生物の利用技術においては世界の最先端にあり、その研究組織、研究への投資、次代研究者の養成のいずれにおいても相当に体制が整備されて来ている。しかしながら、海洋生物の基礎研究においては、これらいずれの点においても著しく整備が遅れていると言わざるを得ない。世界的に見ても極めて早くに臨海実験所を設立し、基礎海洋生物科学の研究に多くの成果を上げてきた国の姿とは到底思えぬほどの現状である。 2.未利用資源・未利用空間の宝庫である海洋を利用する技術の開発を目指し、そのような技術が海洋生物などに及ぼすであろう影響を評価する手立てをもたぬまま、さまざまな巨大プロジェクトが強力に推進されている現在、次の3点は特に緊急に実現、整備する必要がある。 (1)現代生物科学の先端的研究技術を駆使するに充分な施設、設備を備えた、相当規模の共同利用研究所群(海洋分子生物学研究所、海洋生態学研究所、深海生物学研究所等)を持つ、国立海洋生物科学研究機構(仮称)を設置し、基礎海洋生物科学の一大研究拠点とする。 (2)現在さまざまな学会等に分散している基礎海洋生物科学の研究者を包括する組織を設立する。 (3)本邦沿岸に極くありふれた動物であっても、研究者自身が甚大な労力を割くことなしには、良好な研究材料が必要なだけ確保できない現状は深刻である。研究材料供給体制の組織化等、研究支援体制を整備する。
|