1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63308032
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 道夫 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00126004)
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
渡辺 憲二 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00079691)
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Keywords | 発生プログラム / 多細胞体制 / 形態形成 / 修復再生 / 形態形成調節因子 / 遺伝子発現調節因子 |
Research Abstract |
近年、再生に代表されるような、生物個体の形成と維持に連関する調整現象の成立の基礎的要因を、分子や遺伝子の機能にまで堀り下げて説明しようとする研究が、国内外で急速に発展しつつある。このような情況下で、発生プログラムがいかに発現され、いかに調整されるかを集約的に研究し、発生現象の新しい理解への道を開くことが要請されている。 上のような見地から、本研究では、まず研究課題にかかわる研究の国際的動向を調査し、それらの成果を踏えて、わが国で独自に芽ばえ発展しつつある将来性豊かな研究の現状を、各分担研究者が実地に調査した。その結果、(1)ショウジョウバエを用いた生殖細胞決定因子及び体軸の決定に関与する細胞質因子、(2)両生類のキメラを用いた体軸の決定機構及び細胞系譜、(3)細胞接着分子及びそれらの機能に基づく高次体制の形成機構、(4)組織細胞の分化形質転換による組織の修復再生及びその調節因子、(5)鳥類の種間キメラや両生類を用いた中枢神経系の形成機構や神経回路網の再生及びそれらの調節因子、(6)遺伝子転換生物個体の実験系による各種遺伝子の細胞及び組織特異的発現の機構とそれらの調節因子、(7)細胞分化を誘導する細胞内分化決定因子、等々の研究は、いずれもわが国で独創的に展開され、今日、国際的にみても、それぞれの研究領域で先導的地位が定着しつつあることが明らかにされた。 このような調査検討を踏え、これらの研究を柱としてわが国の関連研究を組織化し、研究者相互間の有機的な連携を計りつつ総合的かつ集約的な研究を展開することで、標記課題の研究が十分成立し、目的に叶う成果の確立が期待できるとの結論を得た。この結論と見通しの上に脚し『高次体成の形成・再生の制御とその因子』及び『分化の調節性と形態を誘導する因子』の2つの課題を重点的研究項目とする重点領域研究を推進するための、具体的な研究実施計画を完成した。
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