1988 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける鉄文化の成立と伝播に関する考古学的研究
Project/Area Number |
63410009
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
潮見 浩 広島大学, 文学部, 教授 (30033476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 次史 広島大学, 文学部, 助手 (20144800)
中越 利夫 広島大学, 文学部, 助手 (80144799)
古瀬 清秀 広島大学, 文学部, 助手 (70136018)
河瀬 正利 広島大学, 文学部, 講師 (30093743)
川越 哲志 広島大学, 文学部, 助教授 (20033491)
|
Keywords | 東アジア / 鉄文化 / 成立と伝播 / 鉄器 / 製鉄遺跡 / 考古学的研究 |
Research Abstract |
本研究は、下記の4項目に従って研究を推進した。 1.出土鉄器類の集成・検討、中国出土の鉄器類(戦国〜宋代)の集成を研究分担者が大学院学生を指導しながら実施した。1988年以前の雑誌・報告書類から約5000件にのぼる鉄器をカードに収録した。鉄器類の出現については、武器・武具類・工具類・農具類・日用雑器類に分類して検討を進めている。 2.鉄関係遺跡の集成・検討、朝鮮関係の遺跡を中心に、研究分担者が大学院学生を指導しながら実施した。約20件にのぼる遺跡を収録した。鉄滓類の化学分析から鉄鉱石の原料の推定をおこなっている。 3.製鉄遺跡の発堀調査、中世と推定される製鉄遺跡を、山口・島根・広島の3県にわたって踏査し、本年度は島根邑智郡瑞穂町所在の下稲迫遺跡の発堀調査を2月に実施した。主として炉底下の地下構造を明らかにし、近世への過渡的様相を把握することができた。 4.鉄器・鉄滓の化学的・治金学的検討 上記稲進遺跡出土の鉄器・鉄滓類を中心に、現在日立金属安来工場の研究所にて分析中である。砂鉄は、二酸化チタン分の比較的少ない真砂砂鉄の使用されていることが判明した。 以上、各項目は当初の計画にたいして約80パーセント程度は達成したが、検討・分析などについては、若干次年度に繰りこすことになる。
|