コロナグラフによる2千万度超高温フレア画像の検出

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63420002
• Research Institution: National Astronomical Observatory
• Principal Investigator: 平山 淳 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (20012841)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 常田 佐久 東京大学, 理学部・教育研究センター, 助手 (50188603) ; 岡本 富三 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (70012862) ; 熊谷 収可 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (50161691) ; 山口 朝三 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70158096) ; 渡辺 鉄哉 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (60134631)
• Keywords: 太陽物理学 / コロナ・グラフ / フレア(太陽面爆発) / 紅炎(プロミネンス)

Research Abstract

1、本年度は4年次計画の最終年である。8月末に太陽X線観測衛星「ようこう」が無事打上がり、画期的なフレア及びコロナの画像を取得し始めた。12月3日に研究課題そのものである「コロナグラフによる2千万度超高温フレア画像の検出」に初めて「ようこう」との同時観測により成功した。その結果最初の計画調書に目標として掲げた項目、即ち「ようこう」のX線画像よりエミッションメジャ-(ne^2l°,ne電子密度cm^<ー3>,l幾何学的厚みcm)と、新コロナグラフによりコラム密度(nel)をフレアについて求めることができ,その結果として、電子密度(ne=3×10^<10>cm^<ー3>)と厚み(l=1000km)を独立に世界に先駆けて求めることができた。なかんずく1000kmという厚みは、このフレアの見掛けの大きさ2万kmに比べて極めて小さいので、フレアのエネルギ-解放の理論に非常に重要な役割りを果たす観測となったといえる。今後の理論上の発展が待たれる,
2、本年度は約100日の観測を行うことができ、とくに連続光の画像は明るいサ-ジ,紅炎で得られた。そのうちの一つ爆発型紅炎の観測は、東大院生入交君の電波との同時観測による博士論文となって結実し、また〔FeKIV〕5303Å(百万度で発光)による画像と「ようこう」の軟X線画像の同時観測は温度解析に用いられ東大院生原君の修士論文に用いられた。
3、来年度以降も引続き観測し、第1項の課題に取組む他、偏光観測により紅炎コロナの磁場を求める観測を行う。また、更に精度を高めることを目指す.
4、結語.4年次の本研究は、充分にその目的を果たしつつあるといえる。

Research Products

• [Publications] 熊谷 収可 他: "10cm新コロナグラフの製作と実験" 国立天文台台報. 1. 139-149 (1991)
• [Publications] T.Hirayama 他: "Electron Rensity Detenuinatia an Dec 2,1991 Flare Usins the Yohkoh Soft Xーray and Coronagraph Iwagos" Publ.Astron.Soc.Japan. (1992)
• [Publications] S.Tsuneta 他: "The Soft Xーray Telescope for SolarーA Mission" Solan Physios. 136. 37-67 (1991)
• [Publications] S.Tsuneta 他: "Continuous Observations of Soft Xーray Flare Iwges from the Yohkoh Soft Xーray Tcelswre" Publ.Astron.Soc.Japan. (1992)
• [Publications] J.L.Culhane,…T.Watanabe 他: "The Bragg Crystal Spectrometer for Solar A" Solar Physios. 136. 89-104 (1991)
• [Publications] Ichimoto,K.: "Solar Flare Telescore and 10cm New Coronagroph" Lecture Notes im Phys.ーFlare Pluysics in Soleu Actiorty Maximum 22. 387. 320-323 (1991)
• [Publications] Svestka,Z.and Uchida,Y. (編者): "The Yohkoh(SolarーA)Mission" Kluwer Academic Publishers, 110 (1991)
• [Publications] Uchida,Y.,Canfield,R.C,Watanabe,T.Hiei,E.: "Flare Physics in Solar Activity Maximum 22" SpringerーVerlag, 360 (1991)