1988 Fiscal Year Annual Research Report
超高性能地震計3点観測(父島ー沖繩ー本州中部)による海洋マントルの構造の研究
Project/Area Number |
63420013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深尾 良夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (60022670)
青木 治三 名古屋大学, 理学部, 教授 (20022569)
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Keywords | 超高性能地震計 / 3点観測 / 海洋マントル / グローバル地震学 / 近地大地震 |
Research Abstract |
父島ー沖繩ー犬山の3点観測の進展状況は以下の通り。 1.父島観測点:都立大神山自然公園内の壕を都から借り受け、ここに京大所有のSTS地震計を設置し、一方、大神山神社収納殿内に記録システムを組立てた。そしてここを子局とし、名古屋大学理学部の地震学研究室を親局とする電話によるデータ転送システムを完成させた。地震計の保守維持・データ転送は、親局からの指令によってコントロールされている。まだトリガーにかかるほど大きな地震は起きていないが、全システムは順調に作動している。 2.沖繩観測点:名護市源河大湿帯県有林内の壕を県から借用し、コンクリート台の設置・扉の取付など種々の整備を行った。電気・電話の引き込みも可能となり、今や地震計の設置・記録システムの組立てができるばかりになっている。 3.犬山観測点:従来の名大所有のSTS地震計は沖繩に持っていくため、同じ犬山観測所で動き始めたGEOSCOPE所有の同型地震計に従来の記録システムをつなぎ換えた。その際、AD変換器をグレードアップし、より広いダイナミックレンジが取れるようシステムを改良した。 犬山観測点で取れた記録の解析は順調に進んでいる。特に近地大地震の広帯域・広ダイナミックレンジ・高精度記録は他では未だ得られていない貴重なもので、その解析から「地震の断層運動は一且逆戻りしてから停止するのが一般的である」ことを示す結果が得られており、今後の発展が期待される。4月になれば本格的な3点観測が始められる予定であり、その時点で海洋マントルの構造に関する研究がスタートすることになる。
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